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声のする方に走っていくと、


鉄の生臭い匂いがだんだんと濃くなってくる



死体が転がっていた



私は走る足を止め、そして歩き始める




「…うっ…」






その臭いを嗅ぐと、嫌でも思い出してしまう



____『これでAは俺のものだ』



血まみれで笑った薫が頭をよぎる

私の、大切な人たちの血で汚れた薫が。





「…変なの思い出しちゃったよ」



無理に口元に笑みを浮かべ、苦笑いをしながら歩く




戦っている。向こうで、何かと何かが


死って、こんな近くにもあるものなのか


さっき決心したばかりなのに、ひるんでしまいそうになる






「…逃げたらダメ。行くよ」





自分に言い聞かせた







「…オラァァアアァア!!!」




集団に近づくと、敵らしき人物が私に気づく



刀を振りかざしながら、こちらに走って向かってくる






「…上等だオラ」





強がってみせる



刀を抜いた手が震えている







「あぁあ……あああぁあ!!!」







大声を出しながら、
私は男に向かって走る




斬れ


斬るんだ




彼らと同じように




美しく舞ってみせろ








もう、男は狂っていた

そいつはまともに攻撃ができる状態ではなかった




男の振り下ろした刀を避ける

その縮めて避けた体制を戻すと同時に

そいつに斬りにかかった






_____ザシュッ_____






「…ひっ………」




「………」






刀の先に伝わる生温い触感





バタ、と男が後ろに倒れた





そう、その、





男が倒れた先に






何故か、見慣れた浅葱色




「…え?…」





人を殺してしまった


自分を守るためだ、私は悪くない。


複雑な感情。



その感情と共に、私には混乱が訪れた



見慣れた空と同じ色?

彼らは、出かけているはずだぞ

何故?



何故彼らが、いるんだ





あの、見慣れた浅葱色の羽織を着た


新選組の姿が、見えた





「…クソヤロォォオオオ」




後ろから、また敵が来る






_____ザグッ_____







振り返り際に、刀を抜く




「…グッ……」




体に返り血がついた







気持ちが悪い






バサ…と、男が倒れた






刀を鞘に収めず、縮めたままの体制を元に戻した







戦いの一層激しい、あの混乱しているところに近づくにつれ、

大好きな人たちがよく着ている羽織の集団が、鮮明に見えてくる



「…馬鹿な」





なんで…





「左之がいるんだよ…」

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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです!最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを!本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です!読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください!楽しみにしてます! (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐タロさん» ありがとうございます!!頑張りますねっ!! (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年1月16日 11時

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