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不気味なくらいに空が綺麗だった
「それにしても、みんな遅くないか?」
私が寝てしまって、その間にみんなは島原に行ったのだろう
…個人ではともかく、集団で島原行ったときってこんな遅くなる事があっただろうか
少なくとも、行ってから五〜六時間経ってるのに…
もう夜中だぞ?
「…まぁ
…あの人たちも疲れてるだろうし息抜きも大切だよね」
…うん。
別に心配とかじゃない。心配とかじゃ
「…」
やっぱ寒いし自室に戻るか、
と足を踏み出す
その時だった
「__た___…るぞ!!」
聞き間違えたのか、人の叫ぶ声
耳をすませていると次ははっきり聞こえてくる
「こっちだ!!」
男が雄叫びを上げる声
増えていく足音
それも、大勢の
「_____なァァ!!」
「…____だ!!」
近くで、何か騒ぎが起きている
私は騒がしい方向に体をザッと向ける
怒りで溢れんばかりの声
憎しみのあまり、震えている声
喧嘩かと思ったが、違うらしい
人数があまりにも多すぎる
そして、
「_____ぁあぁあ!!!」
多くの雄叫びと共に、
刀の抜く音がした
キン!!!
刀たちが、交わる音が始まる
その音を聞いた瞬間、
緊張や張り詰めた空気のせいで足が動かなかった
_____どう、すれば
所詮、音じゃないか
何を怖がっているんだ
「…っ、なんでこういう時に限って誰もいないんだよ!」
クソっ、
オロオロしている自分にも腹が立ってくる
私だって、雑魚相手ならもう勝てるはずだ。前、総司に言われた
でも、いざ人を殺すのかという緊張感。
殺されるのかもしれないという冷ややかな気持ちに襲われた
『なんでも逃げてばかりなのか、お前は』
自分の声が聞こえた
『ここ(新選組)の役にも立たずに、よく生きてられるな』
違う…私だって役に立ちたい
『なら、もう答えは出てるだろ?』
答え…
『そんなんじゃ、誰かを愛することもできねーぞ』
ストン、と心に何かが落ちてくる音がした
「…クッ…いくか…っ」
そうと決まれば、話は早かった
私は、走って屯所の外に出た
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです!最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを!本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です!読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください!楽しみにしてます! (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐タロさん» ありがとうございます!!頑張りますねっ!! (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年1月16日 11時