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グリフィンドールには計400点が加算され、今年度の寮杯もグリフィンドールの優勝隣、アズカバン送りにされていたハグリッドが帰還し、めでたしめでたし…
───とはならなかった。
「おい」
人のいない場所でAの腕を引いたのは、怒った顔をしたドラコだ。
デジャブだわ、とAは思った。
昨年度の終業式にも、彼はこうしてAを引き留めたのだ。
まあ、十中八九自分が悪いということは自覚していた。だって、彼は自分に無茶をするなと忠告してくれていたのだから。
大丈夫よ、なんて言って石にされてしまったのだから、そりゃあ怒られてもしょうがない。
「無茶はするなと言ったはずだ」
ドラコはAの頬を抓った。
「いひゃい」
「心配した」
「ごめんなしゃい」
Aが素直に謝れば、ドラコは彼女の頬をむにむにと揉んだ。思った以上に柔らかかった。
Aはくすぐったくて「ふふふ」と笑っている。
久々の彼女の笑顔にドラコは嬉しくなって、つい笑みが溢れた。
「…あのね、あなたに謝らないといけないことがあるの」
ドラコが頬を離したところで、Aはそう話を切り出した。
いつも笑顔のAの真剣な顔に、ドラコはどうしたものかと首を傾げる。
「これ…落としちゃって、割ってしまったの…」
Aがローブから取り出して見せたのは、ドラコがクリスマスに贈った手鏡だった。
しかし、彼女が石にされた時に落とした衝撃で、鏡は割れていた。
ごめんなさい、折角贈ってくれた物なのに、とAはしょぼんとした顔で謝る。
しかし、ドラコは驚いて「そんなことか」とつい呟いてしまった。
鏡なんてどうでも良い。
そりゃあ、Aが大切にしてくれていたら嬉しいし、使ってくれていなかったら悲しい。
それでも、買えば何枚でもあるような鏡なんかより、Aの方が大切だ。
でも、彼女の代わりはいない。
事実、Aが石にされていた間は、気づけば彼女がくれたブレスレットを眺めていたし、ボディスプレーの香りでAを思い出しては寂しくなった。
こんなにもAが自分の中を占めているとは、ドラコは思いもしなかった。
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あんず(プロフ) - 髪の毛つくほど近づいたんかと思ったら発狂もんでした。素晴らしい作品をありがとう神よ。髪飾り、ヘアオイルとかマルフォイがプレゼントしてくれたらうれしいですね…(白目) (2021年4月19日 22時) (
レス) id: 6e2fd367e1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 本当にハリーポッターの世界にいるような気分になれて、読んでいてドキドキが止まらないです…！！私はいつまでも待っているので、作者様のペースでお話を進めてください！楽しみにしています♪ (2021年4月4日 23時) (レス) id: 1ed07fed42 (このIDを非表示/違反報告)
Kitty(プロフ) - 設定や主人公の価値観が好きです。面白いです！続きも楽しみです！ (2021年3月25日 20時) (レス) id: 9cd6021468 (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - すごく面白かったです！！続きを楽しみにしています！！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
ひなげし(プロフ) - 久しぶりに夢小説が読みたくなり占ツクに戻ってきて最初に読んだ作品でした。とても心理描写が繊細で読んでいてとても胸がときめきました。更新頑張ってください、応援しています。長文でのコメント失礼いたしました。 (2020年12月17日 23時) (レス) id: 99c881a30b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2020年11月21日 18時
