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「赤髪の少女に会いましたよ」
ドラコは、母親の言葉に言葉を失った。
ダイアゴン横丁に新学期に必要な教科書を買いに行ったときだった。
フローリッシュ＆ブロッツ書店には、ハリー、ウィーズリー一家、グレンジャー一家が揃っていた。しかし、ドラコがいくら周りを見渡せど、Aの姿だけが見当たらなかったのだ。
「(まさか、まさか母上と出会ってしまったとは…！)」
きっと、母上は彼女の髪のリボンを見たに違いない。彼女のローブの赤いエンブレムを見たに違いない。
ドラコは不安でいっぱいになった。
どうしても、両親には彼女の存在を知られたくなかった。
「あの子だったのね。髪飾りをあげたのも、手紙を出したのも」
「う、」
…気づいている。ナルシッサはきっと、ドラコが彼女に想いを寄せていることに気づいている。
グリフィンドール生、しかも、純血かどうかさえ分からない。そんな彼女と親しくすることを、両親が許してくれるなど、ドラコは思ってもいない。
そもそも、母上と買い物に行った際に、Aへのクリスマスプレゼントを選んだのが良くなかった。
ドラコは自分の過去の行動を反省した。
───昨年12月。
「(これ、Aに似合うな…)」
たまたま通りかかった店のショーウィンドウに飾られた、深い緑の髪飾り。
ベルベット生地が上質感を醸し出しており、日常使いにも、パーティーで着るようなドレスローブにも合う。
なにより、Aの綺麗な赤色の髪に似合うと思った。ドラコはその髪飾りを暫く眺めていた。
「ドラコ」
母ナルシッサに声をかけられ、ドラコの体はびくりと揺れる。ナルシッサはそれを見逃さなかった。
「その髪飾りが気になるのですか？」
「…友人へのクリスマスプレゼントに、と…」
母上には隠し通せまい。そう思い、ドラコは素直に白状したのだ。
「(野蛮な…いや、Aは違うが…グリフィンドール生と友人だなんて、母上がお許しになるはずがない。なにより、父上に言いつけられでもしたら…！)」
ドラコの背筋を、ツーと冷や汗が流れた。
「…大切にするのですよ」
ナルシッサは、ドラコの予想外の返答をした。
それ以上、何も言うことはなく、彼女はその場を後にした。
…それが逆に、酷く恐ろしい。
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あんず(プロフ) - 髪の毛つくほど近づいたんかと思ったら発狂もんでした。素晴らしい作品をありがとう神よ。髪飾り、ヘアオイルとかマルフォイがプレゼントしてくれたらうれしいですね…(白目) (2021年4月19日 22時) (
レス) id: 6e2fd367e1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 本当にハリーポッターの世界にいるような気分になれて、読んでいてドキドキが止まらないです…！！私はいつまでも待っているので、作者様のペースでお話を進めてください！楽しみにしています♪ (2021年4月4日 23時) (レス) id: 1ed07fed42 (このIDを非表示/違反報告)
Kitty(プロフ) - 設定や主人公の価値観が好きです。面白いです！続きも楽しみです！ (2021年3月25日 20時) (レス) id: 9cd6021468 (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - すごく面白かったです！！続きを楽しみにしています！！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
ひなげし(プロフ) - 久しぶりに夢小説が読みたくなり占ツクに戻ってきて最初に読んだ作品でした。とても心理描写が繊細で読んでいてとても胸がときめきました。更新頑張ってください、応援しています。長文でのコメント失礼いたしました。 (2020年12月17日 23時) (レス) id: 99c881a30b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2020年11月21日 18時
