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「にしても、ハリーが死ぬってねえ」
午前の授業を終え、Aは昼食のシチューをスプーンで掬いながら、笑って話す。まるで、「まさかそんなわけ」とでもいった様子だ。
占い学を選択していない彼女は、ハリーが死の予告をされたことを、変身術の授業にて初めて知った。
「まさか、信じるなんて言うんじゃないでしょうね？」
「やだ、ハーマイオニー。私言ったでしょ。占いの類はあまり信じていないって」
Aはそう言って、また一口、シチューを啜る。
このシチュー、ただのシチューなはずなのに、家で作ったものと何かが違う。隠し味に何を使っているのかしら？ホグワーツは一流シェフをお招きしているのかも…。
一方で、ロンは食事に手をつけないままでいた。Aは「シチュー、冷めちゃうわよ」と言ったが、彼は構わず、深刻な顔でハリーに尋ねた。
「君、どこかで大きな黒い犬を見かけたりしなかったよね？」
「うん見たよ」
ハリーの答えに、ロンはカタカタと震えた。
おじは死神犬を見た後に死んでしまったのだと語るロンに、ハーマイオニーは「偶然よ！」と言い放つ。
死神犬──グリムは、死の予兆とされている。大概の魔法使いは、怯え上がるものだ。
ハリーやハーマイオニーがあっさりとしているのは、2人がマグル育ちだからなのかもしれない。
Aは基本的に中立の立場を取る人だ。ヒートアップした2人を「まあまあ」と宥めたが、ハーマイオニーは立ち上がって行ってしまった。
「…あのね、そうやって死ぬって占われたことばっか考えてるから死んじゃうのよ。ああ自分って死んじゃうんだ、なんて考えてたら、そりゃあ死にたくもなるわ」
Aは皿に残ったシチューをパンで掬い取りながら話す。彼女の空になったお皿は、いつも綺麗だった。
「勿論、ロンの言いたいことも分かるわ。私、ロンの友達想いなところ好きだもの。私だってハリーが本当に死んじゃうんだったら心配よ。…でもね、決められた未来なんてそう無いの。占いに囚われないでちょうだい」
そう言うと、Aは立ち上がってハーマイオニーを追いかけた。
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雪だるま - おかえりなさい！ずっと待ってました！ (9月28日 1時) (
レス) @page49 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんた - とってもおもしろくて大好きです！いつか更新されることを待っています…！ (7月11日 18時) (レス) @page46 id: 0356e4ada2 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続きが楽しみです！気長に更新待ってます！ (6月20日 8時) (レス) @page44 id: 0028381799 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま(プロフ) - この作品大好きです〜！！とても読みやすいですし、話の流れがわかりやすいです！！更新楽しみに待ってます！ (2023年3月25日 8時) (レス) @page41 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - はわ…素敵な作品をありがとうございます😭💗 これからの更新楽しみにしています！！！ (2023年2月23日 22時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2021年4月20日 22時
