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話題がシリウス・ブラックからホグズミード──3年生から行けるようになる村だが、ハリーは許可証がなく行けないらしい──に移ったところで、Aは声をあげた。
「…ああ、これフレッドとジョージのだわ。返してくる」
Aは、自分の鞄から出てきた悪戯グッズをローブのポケットに入れると、立ち上がった。
これは、プラットホームにて2人が「見てくれA嬢！」と押し付けてきたものだ。
Aはコンパートメントを出ると、長い列車の通路を歩く。Aたちは最後尾に座っていたが、双子は前の方に座っていた。
「(…すごい雨だわ)」
列車の外は灰色で、激しい雨が窓を打っている。ビュービューと風の音がした。
Aは寒さに身を捩る。暗い通路を照らすために杖を取り出そうとしたとき、ポッとランプが点った。
「わっ、」
突然、ガクンと汽車が止まり、Aはバランスを崩してよろけた。各コンパートメントからは、生徒たちが騒ぐ声が聞こえる。
皆がなんだろうと考えていると、突然ランプが消える。空の色は黒く、真っ暗な列車内では何も見えない。
Aは一度しまった杖を再び取り出し、明かりを灯した。
「とりあえず、誰かと合流しなきゃ…」
フレッドたちは、Aが今いる場所から少しのところにいるはずだ。
Aが再び歩みを進めたとき、背中にドン、と衝撃が走った。
「きゃ、な、なに…？」
Aは後ろを振り向く。杖で照らせば、ブロンドと緑のローブが見えた。
「ド、ドラコ…？」
Aは呼び掛ける。彼は、唇をきゅっ、と結び、視線を合わせてはくれない。
Aが、どうしたのだろうと疑問に思っていると、彼は突然ぎゅっと抱きついてきた。
「な、なに？なに？？」
Aは驚きのあまり杖を落とした。カランカラン、と音を立てて通路を転がる。再び辺りが暗くなり、見えなくなった。
ドラコはぎゅう、とさらにAを抱き締める。彼の髪が首に当たるのがすぐったくて、Aは顔を歪めた。
「ねえ、もしかしてだけれど…
───怖いの？」
突然抱きついてきたのを不思議に思ったAが尋ねると、ドラコはビクッと肩を揺らした。
図星だな、とAはにんまりとする。
ドラコはゆっくりと口を開き、小さな声で答えた。
「…べつに、こわくない」
「嘘ね。怖いんでしょう？」
「こわくない」
…なんだか、かわいいわ。
Aは大きな弟ができたような気持ちになって、ドラコの頭を撫でた。
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雪だるま - おかえりなさい！ずっと待ってました！ (9月28日 1時) (
レス) @page49 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんた - とってもおもしろくて大好きです！いつか更新されることを待っています…！ (7月11日 18時) (レス) @page46 id: 0356e4ada2 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続きが楽しみです！気長に更新待ってます！ (6月20日 8時) (レス) @page44 id: 0028381799 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま(プロフ) - この作品大好きです〜！！とても読みやすいですし、話の流れがわかりやすいです！！更新楽しみに待ってます！ (2023年3月25日 8時) (レス) @page41 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - はわ…素敵な作品をありがとうございます😭💗 これからの更新楽しみにしています！！！ (2023年2月23日 22時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2021年4月20日 22時
