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ドラコの腕には、ぐるぐると包帯が巻きつけられていた。もう血は止まっているようだったが、まだ痛むようである。
「ごめんなさい、馬鹿って言って」
Aはドラコと目線を合わせると、もう一度謝った。目を見て謝りたかったのだ。
ドラコは、目を見て話してくれるAが好きだ。「ありがとう」も「ごめんなさい」も、きちんと目を見て言ってくれるからこそ、良い関係を築けた。そんなAの誠実なところが好きだった。
「でも、私、あなたを本気で罵ったわけじゃあないの。私…すごく、心配した…」
Aはそう言ってドラコの左手を取り、両手で包み込んだ。元々青白い彼の肌は、先ほどの出血でより青白く見える。
昨年度までは大して変わらなかったはずなのに、彼の手はAよりも一回り大きかった。
「怪我をしたのが腕でまだ良かったわ。もし、もしも真正面から襲われていたら…し、死んでいたかもしれないもの…」
Aはそう言って視線を落とす。
正直、どくどくと流れるドラコの血を見て、彼女は少し焦った。周りからは冷静に見えていたかもしれないが、彼女は「早く止血しなきゃ死んじゃう」の一心でいた。
「死なないさ」
ドラコはそう言って、右手でAの頬を撫でた。Aの顔が上げられ、再び視線が交わる。
「…怪我してるんだから持ち上げちゃダメよ」なんてAは言ったが、ドラコは「平気」と言うだけだった(実際は少々無理していたが、やはり彼は格好つけたかったのである)。
「…さっきまで情けない顔してたくせに」
「なんのことだか」
ドラコは笑ってみせる。Aもそれに釣られて笑みが溢れた。
ドラコは、やっと笑った、と嬉しくなる。ここ最近は、彼女の笑顔が見られていなかったから。
「長話してしまってごめんなさい。痛み止めを飲んでいるんでしょう？今日はゆっくり休んで」
Aは寝るようにとドラコの肩を押し、再び横たわらせる。
布団をかけ直してくれる彼女を見て、ドラコは「母親みたいだな」と思ったし、「結婚したらこんな感じかな」とも思った後、「僕は一体何を考えているんだ」と我に返った。
「おやすみ。早く良くなってね」
ドラコが1人であれこれ考えているうちに、Aは彼の額にちゅ、とキスを落とすと、カーテンパーテーションを閉めて医務室を出て行った。
「…は？」
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雪だるま - おかえりなさい！ずっと待ってました！ (9月28日 1時) (
レス) @page49 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんた - とってもおもしろくて大好きです！いつか更新されることを待っています…！ (7月11日 18時) (レス) @page46 id: 0356e4ada2 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続きが楽しみです！気長に更新待ってます！ (6月20日 8時) (レス) @page44 id: 0028381799 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま(プロフ) - この作品大好きです〜！！とても読みやすいですし、話の流れがわかりやすいです！！更新楽しみに待ってます！ (2023年3月25日 8時) (レス) @page41 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - はわ…素敵な作品をありがとうございます😭💗 これからの更新楽しみにしています！！！ (2023年2月23日 22時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2021年4月20日 22時
