雄英高校の聖人君子 (ページ22)

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そんなこんなで俺にとっても怒涛の一日となってしまった雄英一日目。

物凄く疲れながら家に『たでーまァ…』と、扉を開けて帰ってくると。

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＿＿＿＿＿「っ兄さ、兄さん！」

『わっ、あ………って、焦凍！』

毎回恒例…焦凍が抱き着いてきた。風呂上がりなのか体温が高く、髪が湿っている。

……とりあえず抱き締め返して頭を撫でた。

『焦凍、風呂上がりなら体冷やすから玄関に居ちゃダメだ。風邪引くぞ』

「俺風邪引かない」

『自分をなんだと思ってんだお前は』

すりすりと擦り寄ってくる焦凍。
その通常運転さに苦笑いしつつも、部屋に移動した。

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部屋に着いたら着いたで全く離れてくれない焦凍。どうすりゃいいんだこれ。ひっつき虫みたいなんだが。

『……あの、焦凍…俺風呂に入りたいんだけど』

「兄さん…何で雄英にあんなに知り合い居るんだ」

『あれ無視？』

どうやら焦凍は緑谷やら消太さんやら、雄英に知り合いがいっぱい居るのが気に食わないらしい。

………… 嫉妬、って事なんだろう。まあいつもの事ながら可愛らしい。ちょっと度が過ぎてるけど。

『えーっと、な？焦凍』

「……なんだ」

『緑谷はな？俺のファンで…仕事中にあったからそれ以来親しくさせてもらってるっつーか、』

「俺だって兄さんのファンだ」

『う、』

うーん、可愛い。可愛い……んだけども。

『焦凍、お前と俺は家族だろう？だからずっと一緒に居られる。確かに他の人とも沢山交流はあるけど……それはヒーローとして当然の＿＿＿＿＿＿』

「兄さんは、俺の…」

『っ！？え、ちょぉ！？』

ドサッ、と。

焦凍を諭せば逆に悪化したのか押し倒された。目の前にはドアップの彼の顔。

(…おいおい、流石に兄弟間のスキンシップとはいえやり過ぎじゃあ………)

『ぇ……と、焦凍？』

「俺、俺だって、兄さんと学校で話してぇ…仲が良いって周りに見せつけたい……」

そこで、焦凍の目が虚ろなことに気づいた。
瞼は今にも下がりそうだし…これって…………

(寝ぼけて、る、？)

これ完全に寝ぼけてるよな？
めっちゃ眠そうなんだけど焦凍。寝てないだろお前。

確かに俺がヒーローの仕事してる時も遅くまで帰り待ってたし……最近寝付けないのかも？

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