第259話 NOside ページ9
銀時が海に落ちる時
楓乃音も重力に逆らわず
一緒に落ちたはずだ
なのにも関わらず
起きた時に楓乃音は居なかった
服部「…アイツと同じこと聞くのかよ
ちょいと野暮用でね
べっぴんさんの方は連れていかれちまったぜ」
銀時「どこにいった」
服部「さぁな
べっぴんには興味ねーって言ってんだ」
聞くだけ無駄だと悟った銀時は
舌打ちをして服部に背を向けると歩き出した
ところが彼が黙って見送る訳もなく
制止の声を銀時にかける
服部「おい
どこにいく」
その言葉に銀時は
ピタリと足を止めた
服部「これはアイツにも言った事だが
てめぇじゃ
そんな身体じゃなくてもな」
名前を聞かなくても話の流れで理解はできた
アイツと言うのが楓乃音だと言うことも
銀時「…べっぴんにゃ興味ねーが
ブサイクとオッサンには興味津々らしいな」
服部「蜘蛛手の地雷亜
俺の一世代上だが
御庭番歴代最強と
謳われた親父に匹敵する力を
持っていたと言われてる
だがそんな腕を持ちながら奴は
御庭番を追放された
そのあまりに危険な性質故に…
悪いこたァ言わねぇ
あの女は諦めろ
もう救えやしねーよ」
蜘蛛手の地雷亜
御庭番ではその名を
知らない者はいないほどだと言う
変幻自在の糸を操り
いかなる場所をもまるで己の巣のように
縦横無尽に闊歩し蹂躙する
偸盗術
暗殺術を持って奴の右に出る者は
なかったと言う
服部「…だが奴の真に恐るべき所は
そんな所じゃねぇ
その忠誠心さ」
忍びと言うのは彼ら侍とは違い
主君への忠誠心なんてものは
持ち合わせてはいない
信じるのは
鍛え上げた己の技のみ
その技を買ってくれるのであれば
誰の下だろうとつく
いわば技を売る職人のようなものだ
服部「俺達御庭番にしても根っこはそうさ
将軍直属の隠密などと大層な看板を掲げちゃいるが
早い話1番高く俺達の技を買ってくれたのが
将軍だっただけという話さね」
だが、彼
地雷亜は違ったのだ
病的なまでに固執しその為だけに働いた
今の若い将軍ではない先代の時代
将軍の為とあらば汚ない仕事だろうと
どんな危険な任務だろうと
その身を捨てるように働いた
隠密活動のために
その面まで自分で焼き潰した
正体を自在に変装させ面も名も
自分の存在さえ捨てた
銀時「滅私奉公…」
服部「…そう
聞こえはいい言葉だが
一つの事しか見ねぇやつってのは
気付かぬうちに
闇に足をとられていることがあんのさ」
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智琉深 - 続き楽しみにしてるね! (2020年2月14日 2時) (レス) id: 236b4e0967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:龍央 | 作成日時:2020年2月14日 2時