第294話 万事屋side ページ44
気がつけば
周りはオレンジ色に染っていて
それは夕焼けを意味して
いつの間にか清美の手を
握りながら寝てしまっていた鬼翔
ハッと目を覚ますと
もうすっかりぬるくなったタオルを手に取り
自分の手を清美の額に手を置く
鬼翔「…まだ熱いな…」
再び氷水に浸したタオルを
清美の額に乗せる
汗がにじみでていて苦しそうだ
湿らせた手拭きタオルで
その汗を拭いていく
優しく頭を撫で
スっと立ち上がると台所へと向かうために
部屋を出ると既に新八、神楽、銀時の3人が揃っていた
新八「あの…清美さん
大丈夫ですか?」
鬼翔「最初よりかは熱は下がったが
まだ熱はあるな」
銀時「…お前、今日飯食ったか?」
鬼翔「あー…そういやまだだな
すっかり忘れちまってた」
少しくせっ毛のある髪を
くしゃくしゃと軽くかく
神楽「ご飯は大事アルよ?」
銀時「そうだよな、お前は
炊飯器の釜ごと食っちまうもんな!?」
神楽「ななな、なんの事ネ!!
あれでもまだ減った方アル!!」
新八「あーほらほら
静かにしないと清美さん起きちゃいますよ」
鬼翔「取り敢えず飯、俺ァいいや
卵粥作っから台所借りんぞ」
銀時「…」
3人が居る
茶の間から鬼翔は足速に出ると
台所に向かった
釜に残っていたご飯と水を鍋に入れる
中火でグツグツと煮立たせる
煮立ったら、調味料を全て鍋に投入し
火を弱めて何回か混ぜ回す
卵をといて、鍋に入れる
すぐにさっと混ぜて火を止める
火を止めたら蓋をして五分ほど蒸らして完成
作ったとこを見た事はあるが
実際に作ったのは今回が初めてだ
鬼翔「…懐かしいな
姉貴がよく作ってくれたっけか」
それは遥か遠い昔
攘夷戦争が行われていた頃だ
傷が深く熱を出した時
姉、愛美が作ってくれたことがあったのだ
それを見様見真似と言った形で作る事になるとは
あの時の彼は思いもしなかっただろう
サッと少量の塩を振りかけ蓋をする
お盆に載せる水を入れたコップと一緒に持った
清美が寝てるであろう部屋に行く時
何やら銀時がコンビニ袋を差し出してきた
銀時「風邪薬だ」
鬼翔「銀時…」
銀時「アレだ
楓乃音が買ってきてな
お前に渡してくれって」
鬼翔「なんでお前に…」
銀時「前にアイツ
警察は嫌いだって言ってたからな…
…何かしらあったんだろ
とにかく清美に持ってってやれや」
鬼翔「あぁ、ありがとな」
そう言って鬼翔は
清美が寝ている部屋へと入っていった
清美の寝ている近くにお盆を置くと
清美を見ては優しく愛おしそうに撫でた
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智琉深 - 続き楽しみにしてるね! (2020年2月14日 2時) (レス) id: 236b4e0967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:龍央 | 作成日時:2020年2月14日 2時