第292話 NOside ページ42
結局副長である土方から
“総悟を探してこい”と言う
仕事が下った愛美
沖田を探しに行くついでに
見廻りをしていたのだが…
何やら先程から目線を感じている
不意をついては振り向くのだが
そんな視線を送ってくるような
ストーカー紛いをする連中など
見渡したところで見つかりはしなかった
ところがふと感じ気配
その気配と殺気にはどこか覚えがあった
愛美「ははっ…
冗談じゃねぇや」
そうそれは確か
鳳仙が生きていた頃吉原で感じたものに似ていた
いや、似ている以前に同じだったのだ
あのサーモンピンクの髪をした
後ろ髪三つ編みで束ねているあの人物が放つ
殺気と気配に…。
愛美「こりゃ…
さっさと隊長見つけて帰った方が良さそうだな…」
外に長居すれば
間違いなく喧嘩ふっかけられるだろう
1番会いたくないであろう人物に
会わんこと願った矢先これだ
これだからフラグ立て師は嫌になる
と、愛美は1つため息を…
愛美「おい待て
誰がいつフラグ立て師になったんだ！？
そんなもんになった覚えなぞねーぞ？」
などと目に見えぬ者に
ツッコミつつ
愛美「いや、お前！
お前に言ってんの！！」
はて…？
誰のことでしょう
愛美「とぼけんじゃねーよコノヤロー」
まぁ、そんなことは置いてといて
愛美は沖田が
いつもいるであろう公園へと向かった
厄介事に巻き込まれたくないが為に
自然と足速になっていた
時短で裏道を使う事も考えたが
前後左右、四方八方を囲まれては
元も子もない為
いちばん安全な道を通っていた
それもそうだろう
いくら彼らとは言え
こんだけ人が行き交う群れの中
問題やら騒ぎを起こしたくないだろう
愛美「…なんでよりによって今日かなぁ…」
そんなことを愚痴りつつ
いつも沖田がアイマスクをして
サボりと称してはお昼寝をしている
沖田を見つける
愛美「…隊長…」
起こそうと沖田の肩に手を伸ばすが…
そのまま手をひっこめ静かに隣に座った
愛美としては早いところ
起こして帰りたいところだが
寝てる人物を起こすほど鬼ではない
かと言ってこのままにしておくのも
後に土方に怒られることも愛美には分かっていた
だから少しの間だけでもいい
愛美は沖田の隣に
ただただ落ち着く彼の隣に居たかった
愛美「…好きです…隊長」
彼が寝ているのをいいことに
隣にいる彼に聞こえる程度の声で
そう呟いた
いっその事
寝てなくていい起きていればいい
これを最初で最後にするから
そう自分に言い聞かせ
沖田に触れるだけのキスを落とした
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智琉深 - 続き楽しみにしてるね！ (2020年2月14日 2時) (
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作者名：龍央 | 作成日時：2020年2月14日 2時
