検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,342 hit

第280話 地雷亜side→NOside ページ30

俺の思いとは裏腹に
お前の周りにはいつの間にか
仲間が…居場所ができていた

お前は俺には無い
強さを持っていた
背負う苦しみからも
背負われる苦しみからも
逃げぬ強さ

怖かったのさ
また失うのが

お前が俺の元から…
…遠く離れていくようで
恐ろしくて
俺は…
…その手を引き戻そうと
お前を俺と
同じ目に合わせていた

俺は…
結局お前も妹も…
何も護ってなどいなかった
俺が護っていたのは…
自分だけだった

そんな自分に愛想が尽きた
ただ…
…ただそれだけの事さ

…フフ
生きるとは
ままならぬ…ものだな

もう何も…
背負うまいと思ったのに
いつの間にか
また荷を背負いこんでいる
もう誰にも背負わせまいと思ったのに…
…いつの間にか
また何かを背負わせている

月詠
つまらぬものを背負わせたな…
…すまなかっ…た…









NOside

月詠の突き刺したクナイは
蜘蛛の入墨がある首の後ろに
その蜘蛛を刺し殺すように突き刺さっていた

その部分からはとめどなく血が溢れ出ている
まるで止まることを忘れたように

月詠に向けて
最後の謝罪をして
あとは“死”を待つだけとなった地雷亜

月詠はそんな彼の腕を掴んでは持ち上げ
自身の肩に回し背負った

地雷亜「…!!」

そして月詠はゆっくりと歩き出した

月詠「…もっと
早くに話をして欲しかった

わっちにも遠慮なく
その荷、わけて欲しかった」

先程地雷亜が吉原を眺めていた所へ

月詠「そうしたらきっと…
また違った答えが出せていたはず…

…弟子を荷ごと背負うのが師匠の役目なら
弟子の役目はなんじゃ」

たった数歩だがたどり着けば
綺麗な満月が覗いているその光が照らすのは

月詠「師を背負えるまでに
大きくなることじゃ」

師匠を背負えるまで大きくなった弟子の姿だった

月詠「軽い…
…軽いのう…師匠
…ぬしはこんなにも軽かったんじゃな」

そこから見える景色は決して
綺麗と呼べる物じゃなかった
火の手を全て消し終えても
少量の白い煙があちこちに漂っていた
月詠は見上げふと問いかけた

月詠「見えるか師匠」

そう問いかけた月詠を地雷亜は
見ずにはいられなかった
キョトンとしたような目で見つめたあと
軽く微笑んだ地雷亜

地雷亜「…あぁ、見え…る

今迄…見た事がないほどの…」

その先、喉元まで来ていたその言葉は
口にすること無く自分の中へと消えた

彼、地雷亜は弟子である月詠に背負われたまま
息を引き取った






































綺麗な月だ

第281話 NOside→←第279話 服部side→地雷亜side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 万事屋 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

智琉深 - 続き楽しみにしてるね! (2020年2月14日 2時) (レス) id: 236b4e0967 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:龍央 | 作成日時:2020年2月14日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。