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第278話 NOside ページ28

未だ息が上がっている地雷亜は
額から血を流してもそれでも尚
立ち続けた
そしてその手には1本のクナイが
握られていた
クナイの先端は銀時の首根っこへ向けられた

月詠「地雷亜やめろっ!!」

銀時「…」

銀時は地雷亜に背を向けたまま
呟くように言葉を発した

銀時「…もうやめとけ
…てめーの巣には
なにもいやしねぇよ
獲物も…餌も…虫けら1匹
そこにいんのは最初から
たった1匹の蜘蛛だけだ

はるか頭上の月の光を仰ぎみて
空に向かって糸を吐き続ける
哀れな蜘蛛(てめー)だけだ」

地雷亜「ふっ…
…何を世迷言を

そんな事は…
とうの昔に知ってるさ」

1歩、ザッと
未だ背を向け続けている銀時に近づく
そしてクナイを投げる構えに入る

月詠「やめろぉぉぉ!!!
地雷亜ぁぁぁ!!!」

それを分かった月詠は叫びそして…
地雷亜はそのまま倒れた
最後にトドメを刺したのは…

地雷亜「…いい…
…それで…それでいい…」

切なそうな
それでいて寂しそうな
悲しそうなそんな顔をした
月詠だった

地雷亜「蜘蛛が血に消えゆくか
…存外…、ゲホッ…
期待していたほどの感慨はないな
己を殺すなどという事は…」

そしてふと地雷亜が放った一言を思い出す









ー俺は俺を殺したいんだー









その意味にようやく気づいた月詠が
目を見開き口を開いた

月詠「…地雷亜…ぬし…」

楓乃音「…お前
寂しいやつだな
可哀想な奴だよ

地雷亜…お前
最初から狙いは
手塩にかけて鍛え上げた己の弟子(ぶんしん)
殺すことなんかじゃねぇ…
…最愛の弟子、
つまり自分のように育てあげた月詠に
殺されることだったんじゃねぇか?

“俺は俺を殺したい”
遠回しな言い方だが
つまりはそういうことだろう?」

月詠「!?」

「地雷亜
お前の最後の獲物は
お前自身だったって訳かい」

綺麗な満月に照らされている彼らのいる場所
そんな月を背後に戸に背中を預けこちらを見ている
服部全蔵の姿がそこにはあった

ゲホッと地雷亜は
吐血すると目線を向けそっと口を開いた

地雷亜「…か…頭の息子か…
1度会うたな
親父殿と仲間の仇…
再び取りに来たか…
…残念だったな
一足遅かったわ」

服部「…。

…仇なんざ…とうの昔に
とる気は失せたぜ
地に落ちもがく蜘蛛なんざ
潰す気にもなりゃしねぇよ」

“段蔵”

その名前に地雷亜は軽く花で笑った

地雷亜「…全て調査済みというわけか」

服部は目も向けず淡々と話し出した

服部「蜘蛛手の地雷亜
本名、鳶田段蔵」

第279話 服部side→地雷亜side→←第277話 NOside



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設定タグ:銀魂 , 万事屋 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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智琉深 - 続き楽しみにしてるね! (2020年2月14日 2時) (レス) id: 236b4e0967 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍央 | 作成日時:2020年2月14日 2時

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