Silver Soul 【銀魂】ー俺達の生き様ー【Ⅴ】 (ページ10)

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第210話　NOside ページ10

『無』

それは最凶最悪のカードだった

結果、2人は最後まで
1歩も譲らずほほ同時にリングに倒れ伏した
最終対決を終えても決着はつかなかった

「彼らの勝利へと執念
そしてお通ちゃんへの愛は
このような対決では到
底推し量れるものではなかったのか！！

これは一体どういう判定を下せばいいのか
お通ちゃん一体どうしましょう！？」

司会者のそんな言葉を聞いても
お通は何も言うことは出来なかった
そんなとき

“判定など…必要ない”

まだ、勝負はついてない

そう言って2人は立ち上がった
2人の持つLPは0だった

愛美「そこまでするか…」

楓乃音「…最後は自分で…てか
いい面構えじゃねぇか
アイツの割に」

身体は既にボロボロで
最早その手には1枚のカードすら残っていなかった
それでも2人は立ち上がった

鬼翔「お互いが満足するまで
ありゃ終わらねぇぞ」

清美「“あれ以上やったら
身が持たない、死んじゃうよ…！”」

鬼翔「そいつァ…」

銀時「…もうムダだ
奴らは誰にも止められねぇ
奴等はもう公式(オフィシャル)ファンクラブ
なんぞの為に戦ってるんじゃねぇ」

お互いが殴り合う
そんな生々しい音が響く
殴られても殴られても2人はたち続けた

「不思議だ
…こんなに苦しいのに
こんなに痛いのに…
今初めて生きている気がするでござる」

新八「土方さん…いや、
…トッシー」

何故今になって彼が表に出てきたのだろうか
土方に任せていれば楽勝なのにも関わらず
痛い思いも苦しい思いもせずに済んだ
なのに彼、トッシーは自らの意思で
表へとでてきたのだ

新八「何故…今になって…」

そう問いかけると
“それは君も同じだろう”
そう言って問いかけてきた

トッシー「お通ちゃんの声を聞きながら
何故君はまだその拳を下ろさない」

“何故、まだ戦う”

トッシーside

己の生きた証

僕はそれを十四郎と共に探し求め
オタク道を昇りつめてきた
だがオタクの覇王の座なんて
僕は本当はとどうでもよかったのかもしれない

ただひとつのことに何もかも忘れ
熱中したかっただけなのかもしれない

…仲間と共に

ただ、思う存分全力を尽くして
戦いたかっただけなのかもしれない

…好敵手共に

トッシー「新八氏
君も僕と一緒だろう

…証なんて必要ない
作る必要も無い
ただ一瞬一瞬を燃え盛るように全力で生きる！！
そうして僕らが生きてきた道…
地面に焼き付いた焦げあと
…それこそが…」