第238話 NOside ページ38
土方の言うことも分からなくはない
近藤の言うこともご最もだ
愛美「…俺と鬼翔は
元、とは言え戦争に参加した攘夷浪士だ…
それでも…
受け入れると言うんですか…貴方は…」
近藤「当然だ」
仁王立ちで手を組んでニッと笑って
当たり前だと言わんばかりにの即答だった
愛美「…っ…」
鬼翔「…甘いな
ホントに甘い…」
“けど姉貴…”
鬼翔は清美を宥めるように抱きしめ
頭を撫でながら愛美を呼んだ
鬼翔「土方が言うように
賭けてみねぇか？
こいつらの甘い考えに」
その言葉の中に清美から離れたくない
清美を1人にしたくない
護ると誓った自分を裏切りたくない
そんな思いも一緒に秘められていた
愛美「…お前も変わったな…鬼翔」
変わってないのは…自分だけ…
自分の情けなさに声量も小さくなる
まるで独り言のように…
近藤「愛美
今すぐ信じてくれなんて言わんが
いつか信じてくれ
お前の家族として…」
その言葉は確かに愛美の心へ届いた
固まりかけた心を溶かしてくれた
それでも愛美の心はまだ晴れない
愛美「…隊長は…」
そう、沖田のことが気がかりだった
愛美「“何処の馬の骨とも分からねぇ”
…そんな俺を許してくれるんですか…？」
背中越しにそう問いかけた
彼を見るのが怖かった
沖田「言ったはずだ
俺の隣はおめぇが良い」
愛美「…っ…」
あの時までの2人には戻れないかもしれない
だけど…それでも…
また新しく…1から関係を始めてもいいだろうか
こんな事は“あの人”の時は感じなかった
こんなに苦しい思いは感じなかった
自分の気持ちに蓋をしていたことが
原因の一つなのかもしれない
今更気づいてしまうなんて
今更…彼にこの思いを抱いてしまうなんて…
あぁ、こんな時に自覚してしまうなんて
ホント…馬鹿だな…
気がつけば目からは涙が流れていた
悔しさ苦しさ嬉しさ
そんなたくさんもの気持ちが絡み合って
その涙は止まることを知らなかった
愛美「…っ…
後悔したって…知りませんから」
その言葉に近藤は
ドンと来いと言わんばかりに言い放った
近藤「上等だ！」
土方「近藤さんの決定は絶対だ
異論あるやつは前に出ろ
1人残らずたたっ斬る」
沖田「居やせんよ」
ここで引き止めずに後悔するより
引き止めて後悔した方が何倍も
ずっといいのだろう
それを悟った愛美は
“負けた”と言うように密かに笑った
銀時「…良かったなお前ら」
銀時は嬉しそうにそっと呟いた
またひとつ
鬼翔と愛美に護りたいものが増えた瞬間だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
智琉深 - 続き楽しみにしてるね！ (2020年2月2日 22時) (
レス) id: 236b4e0967 (このIDを非表示/違反報告)
智琉深(プロフ) - 龍央の書く小説大好き！ (2020年1月18日 1時) (レス) id: f127ee41ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：龍央 | 作成日時：2020年1月17日 3時
