Silver Soul 【銀魂】ー俺達の生き様ー【Ⅴ】 (ページ35)

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第235話　NOside ページ35

カチャッと銃口を向けた男の目は
恐怖の色で染っていた

愛美「たかがクイズだ
そう、固くなるんじゃねぇよ」

少し笑いながら
愛美はそう言い放った
そしてスッと笑みを消すと
“やーめた…”
声のトーンを低くして続けた

愛美「…殺す価値もねぇお前みたいな奴が
“攘夷浪士”名乗ってんじゃねぇ」

1発分の銃弾が無駄になるとこだったぜ

男の腹の上から足をどかし
鬼翔の方へと足を向けた

愛美「俺達の気が変わらねぇうちに逃げな」

その場にいた
息のある奴らはたった数人だったが
その場から離脱して行った

その場に残ったのは
真選組、万事屋
そして倒れたまま動かない頭だった

愛美「あーあ…血だらけだ
シャワー浴びたい」

鬼翔「昔からそればっかだな」

愛美は鬼翔に預けた刀を返してもらうと
拳銃を放り投げた
そう言って2人は
彼らに背を向けたまま歩き出した
そんな愛美と鬼翔を止めたのは…

「…待て
どこに行く気なんだ」

近藤だった

ピタッと足の歩みが止まる

愛美「さぁ…何処でしょうね」

近藤「お前たちの居場所は…」

鬼翔「…忘れたのか？
俺達は深紅(真紅)姉弟だ」

2人は彼らの方を振り向かないまま続けた

鬼翔「それでも受け入れるってんなら
相当なお人好しだな」

愛美「真選組に居続ける理由はない
切腹でも打首でも命令してくれれば
今ここにいる限りは従いますよ局長」

近藤「…」

銀時「…お前ら…
ホントにそれでいいのか…」

神楽「そうネ！！
清美の…清美の気持ちはどうなるアル！！」

清美「…っ…」

微かに声は出るが
言葉としては紡がれることは難しい
待って、と
行かないで、と止めたいたのに
声が掠れている、出ても母音だけだ

鬼翔「…」

愛美「…鬼翔」

居てもたってもいられなくなった清美は
鬼翔のことを後ろから抱きしめた

鬼翔「…清美…」

清美「…、、…」

“行かないで”

確かに彼女は
消えそうな声でそう言った
鬼翔は握っていた拳に
さらに力を込めた

その様子を見た愛美は
1人で歩き始めた

愛美「鬼翔
…居てやれよ傍に」

鬼翔「けど姉貴…」

なんせ今の清美は
抱きついたまま離れる気は
これっぽっちもないだろ

愛美「俺は好きなように生きて好きなとこ行くさ」

鬼翔の方も振り向かず
そのまま歩いていく

「待ってくだせぇ…」

ピタッと
ほんとに一瞬だった
沖田の声が聞こえた瞬間
足が止まった愛美

愛美「隊長…」

沖田「どこ行くんでィ？」

愛美「…行く宛てなら
沢山ありますから」

沖田「…愛美」