Silver Soul 【銀魂】ー俺達の生き様ー【Ⅴ】 (ページ21)

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第221話　真選組side ページ21

「ごめんなさい、局長勝手なことを…」

今鬼翔と愛美は局長である
近藤を前にそんなことを言っていた
それもそうだ
彼の指示もなしにその上隊長でもない愛美が
山崎に指示を出したのだ

近藤「気にしてないさ」

土方「近藤さん
優しすぎるにも程があるぞ｣

当然その場には副長である
土方も存在していた

土方「…で、お前らそこまで言うなら
可能性はあるのか？」

鬼翔「無いとも言いきれねぇからな
奴らの行動が明らかに怪しくてな
さすがに真選組として
見て見ぬふりは出来ねぇだろ？」

愛美「だから勝手ながら
その可能性も考えて山崎を潜入させたんです」

近藤「わかった
山崎から連絡き次第報告を頼む」

愛美「はい」

それでは失礼します

そう頭を下げ部屋を出る時
ふと口を開いた

近藤「良いのか…？」

きっと…いや、
もしかしなくても沖田の事だろう
その聞き方だけで愛美はすぐに理解出来た
隊長である彼に相談はしなくていいのか、と
彼にこのことを言わなくてもいいのか、と

愛美「…良いんですよ
彼の中で俺は新米部下なんで
余計なこと言って油に火をつけるより
機会があった時、山崎から得た情報として
隊長に報告してください」

なんてのは言い訳で
やっぱりどうしてもどんな言葉を探しても
巻き込んでしまうのが怖いのだ

土方「…アイツ自身も
自分の中にある違和感には気づいてる
そばに居てやった方が…」

愛美「副長
副隊長でもないタダの新米部下が
隊長のそばに居たら可笑しいと思いませんか？」

土方「それは…」

愛美「…副長、局長
俺に何かあった時は…
隊長をお願いします」

鬼翔「…姉貴」

土方「何言って…」

近藤「…」

愛美「じゃぁ、今度こそ
失礼しますね」

土方「お、おい愛美」

呼び止める声を聞こえぬ振りをして
鬼翔とその場を後にした

近藤「…どう思うトシ」

その場に残った2人
沈黙が流れるのを近藤は破った
そしてタバコの煙を吐き出しながら
土方は返事を返した

土方「良くねぇ事が起きる気がすんのも確かだな」

近藤「全く、総悟も愛美も不器用だな」

土方「近藤さん、愛美(アイツ)は…」

近藤「あぁ…きっと、まだ愛美の中で恐れてんだろう
巻き込んでしまうことを、傷つけてしまうことを
…1度体験しちまった恐怖ってのは
なかなか取れねぇもんでな
きっとその部分で愛美は苦しんでるんだろ」

土方「…近藤さん
あんたはホントに疑うってことしねぇよな…」

近藤「…トシ…」

土方「…俺は疑っちまう…」