Silver Soul 【銀魂】ー俺達の生き様ー【Ⅴ】 (ページ18)

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第218話　真選組side ページ18

『…何処の馬の骨とも分からねぇ奴に
任せらんねぇ…』

言葉は簡単に刃物になる
それで人を殺すことも出来る
その言葉が出たのはきっと無意識なのだろ
1度放たれた言葉は取り消すことなんて
本人以外には出来ないのだ

その瞬間愛美の隣にいる鬼翔から
殺気が放たれた
沖田に向かって拳が飛んでくる

…がその手首を掴んだのは…

愛美「…局長
副隊長の件無しにしてください」

近藤「愛美…」

悔しさ、寂しさ、苦しさ
が滲み出ていた愛美だった

顔は伏せていて沖田、近藤、土方からは
愛美の表情は見えなかった

愛美「鬼翔、その拳下ろせ」

鬼翔「…チッ」

軽く舌打ちをすると
鬼翔は渋々拳を下ろした

愛美「ならこうしましょう隊長
俺は貴方のタダの“部下”として
あなたの背中を護ります」

何も、感じなかった
何も思わなかった
全て消えてしまえばいい
と言えば嘘になるが
今は何も考えたくなかった

沖田「…」

愛美「貴方は隊長として動けて
俺は部下として貴方の背中を護る
それでもまだなにか不服ですか？」

静まり返る
その重い沈黙を破ったのは…
他の誰でもない沖田で…

沖田「好きにしろよ」

愛美「…」

一つ一つの言葉が突き刺さるように痛い
こんなにも彼の言葉は冷たかっただろうか

土方「お前はそれでいいのか」

愛美「いいんですよ、これで」

貼り付けた笑顔で
土方に返事を返した

愛美「…鬼翔、行くぞ」

鬼翔「あぁ」

この場に部下はいらないだろう
そんな雰囲気で2人はその場をあとにした

鬼翔「…ほんとに良かったのか姉貴」

愛美「他に方法があるなら聞きたい」

鬼翔「…」

きっと自分が愛美の立場なら
同じことをしたのだろう

そう思うと何も言えなかった

･

一方残った隊長達

土方「総悟
お前本当に…」

沖田「なんでぃ土方
らしくねぇ声出してんじゃねぇよ
気色悪ぃ」

土方「ぁんだと！？
切腹がいいか！？しょっぴかれてぇのか！？
てめぇは！！」

近藤「まぁ、落ち着けトシ」

沖田「…近藤さん
俺ぁ…なんか大事なもんを
忘れちまった気がしてならねぇんでさぁ…」

近藤「…総悟」

沖田「…って事で
土方死んどけ
そうすりゃ思い出すんじゃね？」

土方「どんな思い出し方だぁぁぁぁぁ！！！
馬鹿にしてんのかぁっ！？」

沖田「今更気づいたんですかぃ土方さん
当たり前じゃねぇですかい」

土方「てめぇ今すぐ切腹しろぉぉぉぉぉ！！！！」

沖田「安心してくだせぇ
この世で1番舐めてんのは土方さんだけでさぁ」