第135話 NOside ページ35
絞り出すように晴太は
自分の母親はここにいる、と
血が繋がっていなくても
日輪の姿が見えた時晴太は
声を振り絞って“母ちゃん”と呼ぶ
良いのかい？血も繋がってないのに
こんな薄汚れた母ちゃんなんて呼んでも
今まであんたに何もしてやれなかった私を
私なんかがアンタの母ちゃんになっても
その声は泣くことを耐えてるように
吐く言葉はどれも震えていた
どんな言葉でも晴太は
“母ちゃん！！”とだけ返した
銀時のいうように
腹の底から声出して呼んだ
気がつけば溢れた涙は止まることを知らず
洪水のように溢れ出るその涙と一緒に晴太は
これでもかと言うくらい叫んだ
晴太「母ちゃんんんんんん！！！」
振り向いた日輪の瞳からも
大量の涙が溢れていた
我慢ができないと言っているように
目が訴えていた
日輪「晴太ぁぁぁぁぁぁ！！！」
日輪に晴太は駆け寄ると
ようやく会うことが出来た
ようやく抱きしめることが出来た
ようやくお互いの思いが通じあった
2人は流れる涙の止め方なんか知らない
ただただ目の前にいる存在を確かめるかのように
抱きしめあっていた
仕舞いに晴太は
声を荒らげて泣き出した
そんな様子を遠くから見ていた銀時達は
ほっとしたような顔を浮かべていた
そんな彼を見て神威は
思い出したように言葉を吐き出した
神威「へぇー生きてたんだ」
その言葉で鳳仙は気づいたのか
瞳に影を落とし口を開いた
鳳仙「…そうか
貴様が童の雇った浪人
わしの
好き勝手やってくれたのはぬしか
やってくれたではないか」
楓乃音「よく言うぜ」
銀時「好き勝手？冗談よせよ
俺ぁ女の1人も買っちゃいねぇよ」
鳳仙「そうか
ならばこれから酒宴を用意してやる
血の宴をな」
銀時「過分な心遣いありがたいが
そいつは遠慮するぜ
ジジイのV字の生え際見ながれ酒飲んでも
何にも旨かねぇ
こんな所で酒飲んだって
なんにも旨かねぇ
男の極楽、吉原桃源郷
確かに大したもんだ
良くまぁこれだけあちこちから
別嬪さん集めてきたもんだよ
だがどんだけ美女を集めようが
どんだけ美酒を用意しようが
俺ぁてめぇの
酒なんざ一滴たりとも飲まねぇ
鎖で繋がれた女から
酒なんて注がれても
何にも旨かねぇんだよ
泣きながら酒なんて注がれても
何にも旨かねぇんだよ
ババァだらけの、薄汚ぇスナックでも
笑って酌してくれんなら
俺ぁそれがいい」
銀時はいつもの風景を
思い出しながら言った
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智琉深(プロフ) - もう最高(*￣ii￣) (2019年12月15日 1時) (
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作者名：龍央 | 作成日時：2019年12月14日 2時
