第122話 月詠side ページ22
月詠「…日輪
わっちはもう逃げん
檻を破るために戦う」
──背筋しゃんと伸ばして
お天道様まっすぐ見て生きてかにゃならねぇんだ──
月詠「最後の最後まで…太陽に向かって
真っ直ぐにたち続ける…！」
とめどなく流れる血
悲鳴上げてる体に鞭を打ち立ち上がる
「やれぇぇぇ！！！」
覚悟して月詠は目を閉じる
ところがいつまで経っても痛みは来ない
カランカランとクナイが落ちる音だけが耳に入る
月詠「…！？」
「…もう出来ない
…もういやだ…」
そう吐き出す
百華の彼女らは武器を手から離し
地に落としていた
「…頭
アンタは臆病者なんかじゃない
アンタは何も護っていなくなんかない」
そう言って彼女達は口元を隠していた
マスクを外し目からは涙がこぼれ落ちる
「護ってくれたじゃないか
私達を…」
マスクの下には
刃物で切られたような痕があった
「吉原から逃げ出そうとした女達
客の取れなくなった使い物にならなくなった女達
掟を犯した者達を始末したように見せかけ
百華に紛れ込ませ匿ってくれたのは
他でもない、アンタだ」
月詠「…。
わっちはぬしらが女として
生きる道を奪った女としてのぬしらを殺した」
「吉原に売られた時
既に女などは捨てています
人として生きる道を作ってくれたのは貴方です
ここにいる者達は皆
貴方が今迄護ってきたものなんです
頭…空に輝くのは
この常世の街を照らすかけがえのない…
…光なんですよ」
限界がきた月詠はそのまま仰向きに倒れた
百華の彼女達は急いで階段を駆け上がると
駆け寄った
────…
日輪…わっちは
ずっと隣でぬしを護り続けていたつもりだったが
ぬしの存在はどこか遠かった
今初めて
ぬしの隣にたてた気がする
道は照らしたぞ
吉原を…日輪と晴太を頼…────
･
･
･
その時銀時の持つキセルが
コロンと音を立てて落ちた
拾ってそのキセルを数秒眺めると
ぎゅっとしっかり掴む
楓乃音と銀時は
お互い目を合わせると
再び走り出した
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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智琉深(プロフ) - もう最高(*￣ii￣) (2019年12月15日 1時) (
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作者名：龍央 | 作成日時：2019年12月14日 2時
