本気の、【坂田銀時】 ページ9
「おい、」
いきなり彼に名前を呼ばれた。と思ったら、荒々しく口付けてきた。
「んっ…!?」
触れては離れ、触れては離れ、と繰り返すうちに、だんだんと優しいものに変わっていった。そこで一旦唇が離れる。
「はぁっ、はぁっ……いきなりどうしたの…?」
「悪ィ、驚いたよな…」
「うん、まぁ……だけどどうして…」
そう問えば、したくなったからした、と答えが返ってきた。欲望に忠実だなぁ……じゃなくて!
「あの、いきなりはびっくりするから…する、とか、いいか、とか言ってくれるとありがたい、かな……」
「…あー、悪ィ、ほんっと」
ううん、大丈夫、と笑えば、彼も笑ってくれた。
「……なぁ、もっかいしてもいい、か?」
「…はい」
滅多に見ない真剣な眼差しに、私の胸はドキドキする。そっと、唇が触れた。
最初は感覚を楽しむように、ふにふにと優しく触れてくる。時々、彼の舌が唇をノックする。その感覚に少し肩を跳ねさせつつも、まだ優しいキスをした。
ノックする回数が増え、少し耐えられなくなって口を少し開けた。すると、待ってましたと言わんばかりに、ぬるりと口内に入る彼の舌。それはゆっくりと歯列をなぞり、上顎を擦り、舌に吸い付いた。
「ん、んぅ……っ、」
自分のものとは思えないほどの声が出て恥ずかしい。少し目を開けると、彼がニヤリと笑ったのが見えた。だんだんと力が入らなくなって、思考が溶かされて、口は開いたままになる。口の端から、2人の混ざった唾液が零れ落ちた。
「…ん、」
彼は器用に舌で掬い取り、私の唇を舐めて離れた。少しだけ、彼の息が上がっている。
「はぁっ、はぁっ……ん、はぁっ…」
私は、と言えば肩で息をするくらいだ。
「あー、悪ィ。激しかったか」
「う、ん…少し……」
力の入らない身体を必死に支え、ぼんやりとしている頭で考える。キスだけでこんなになっていたら、本番は持たないのではないか…。
「大丈夫、本番はこんなにゆっくりじゃなくて、もっと激しく荒々しくしてやるよ」
それとも、今みたいにゆっくりされてェ?
と、目を細めて聞いてくる彼は確信犯だ。
「……ど、どっちも好き…だから、両方…」
「ふっ、わがままだな」
「ご、ごめんなさ…」
「いいよ、元々そのつもりだったしな」
なんて再び優しく口付ける彼。それを合図に、長い夜が始まる。
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スピカ - もしかして桜ノ華って己龍の情ノ華から来てますか? (2020年3月23日 1時) (レス) id: 1ae63c8e97 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 松陽が風邪ひいた夢主を看病するってやつお願いします (2019年4月20日 13時) (レス) id: 1db7bd25ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - ありがとうございます!!めっちゃいいです!! (2019年3月16日 7時) (レス) id: c5c9065943 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - ゆのんさん» 遅くなってごめんなさい!書かせていただきました!リクありがとうございました! (2019年3月16日 3時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 銀時が熱出して看病する的なやつできますか? (2019年3月12日 6時) (レス) id: c5c9065943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜ノ華 | 作成日時:2019年1月15日 21時