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風邪っぴき【坂田銀時】 ページ16

「う"ぅん……」


布団の上で唸るのは、万年金欠万事屋銀ちゃんだ。体調なんて崩さないと思っていた彼が、珍しく体調を崩したのだった。新八くんに看病してくれ、と頼まれ、断るわけにはいかなかったのである。


「よし、あとは冷えピタと薬と水か……」


取りに行ってくるね、と伝え、立ち上がろうとしたその瞬間、着物の裾が引っ張られた。


「わ、銀時…?」
「……行、くな…」


熱のせいで少し赤らんだ頬と潤んだ瞳。なんだかいつもと違うその顔に、色っぽさが加わっているような、なんて思ってしまった。


「すぐ戻ってくるよ、薬取りに行くだけだから」
「…そんなの、新八か神楽に頼みゃいいだろ…Aはここにいろ…」


弱々しく零れるその言葉に、私は降参した。こうやってたまに甘えられるのも、悪くない。


「わかった、じゃあここにいるよ」


そう言って彼の手をそっと握る。


「おう、ありがとな……」


私の手を、きゅっと握り返して彼は眠りについた。少し荒い息と、時折苦しそうに零れる声。少しでも早く楽にしてあげたくて、私は新八くんに薬と冷えピタを頼んだのだった。


少しして部屋に来た新八くんから、それらを受け取る。銀時を起こして、薬を飲ませる。


「苦いの嫌なんだよなァ」


と渋っていた彼だったが、今の苦しさがなくなるなら、と嫌な顔をしつつも飲んでくれた。冷えピタは案外すんなりと貼ってくれた。




それからまた一眠りして、体温を測ってみるとだいぶ下がっていて。


「これでもう少し寝れば回復するね」
「あァ、そうだな。ありがとよ」


滅多に聞かない感謝の言葉が聞けるなんて、と思わず驚いてしまった。


「ちょっとォ、んだよその顔…俺だってお礼くらい言うっつーの」
「ご、ごめんね……どういたしまして」


私は笑ってそう返した。彼の貴重な感謝の言葉が聞けるなら、風邪っぴきも悪くないかも、なんて。






銀時の風邪がうつって、彼に看病してもらうことになる話は、また別の機会に。

嘘ついてみた→←たまにはあなたも【吉田松陽】



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スピカ - もしかして桜ノ華って己龍の情ノ華から来てますか? (2020年3月23日 1時) (レス) id: 1ae63c8e97 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 松陽が風邪ひいた夢主を看病するってやつお願いします (2019年4月20日 13時) (レス) id: 1db7bd25ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - ありがとうございます!!めっちゃいいです!! (2019年3月16日 7時) (レス) id: c5c9065943 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - ゆのんさん» 遅くなってごめんなさい!書かせていただきました!リクありがとうございました! (2019年3月16日 3時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 銀時が熱出して看病する的なやつできますか? (2019年3月12日 6時) (レス) id: c5c9065943 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜ノ華 | 作成日時:2019年1月15日 21時

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