涙 【沖田総悟】 ページ6
この時間なら誰も起きていないだろう。部屋を抜け出し、縁側に座って大きな満月を眺めた。その静かな光を見ていると、なぜだか分からないが涙が溢れてきた。生憎だが、私はこの涙の止め方を知らない。
「……っ、ぅ……」
どうすることも出来ないまま、どんどんと涙は零れ落ちていく。と、人の気配を感じた。
伊達に真選組に入っている訳では無い。人の気配くらいすぐ分かるのである。
「何やってんでさァ」
声の主は総悟だった。
「だいぶ冷え込んでくるようになったんだ、風邪引きやすぜィ」
私の隣に座って、顔を覗き込んできた。
「えっ、泣いてるんですかィ…？」
「ぅ……ごめ、何でもないの……」
「何でもなくないから泣いてるんでしょう」
理由もないのに泣きませんぜ、と続けられた。
「何でだろうね……こんなに大きな月見てたら…なんか泣けてきちゃって…」
彼は黙ったままだ。
「総悟…？」
「俺はAさんの涙なんて見たくねェ……」
まるで壊れ物を扱うかのように、そっと私を抱きしめながら彼は言った。
「だから、泣かないでくだせェ」
どうしてもって時は、俺の傍でだけ泣いてくだせェ。
そう続けて、普段の振る舞いからは考えられないような優しい手付きで、私の頭を撫でた。それがとても心地良くて。私はいつの間にか眠ってしまっていた。
「せめて夢の中では笑って……」
彼が額にキスを落としたなんて知る由もない。
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苺みるく - 読んでて、めっちゃドキドキしました！これからも、応援しています！ (2018年12月7日 21時) (
レス) id: d9dead7c75 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» もったいないお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願いします*_ _) (2018年12月3日 21時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます！素晴らしかったです！これからも頑張ってください！ (2018年12月3日 20時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます！ (2018年12月3日 17時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» リクエストありがとうございます！わかりました、書かせていただきますね！ (2018年12月2日 23時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜ノ華 | 作成日時：2018年11月18日 18時
