逃げるな 2 ページ44
「さてお前ェさん、この先どうするんだ?」
ここに残るのか、それとも別の場所を探すのか、と問われた。私は……。
「えっと……じゃあ、事情を知ってる晋助のところにいさせてもらおうかな……」
「わかった。まァ、あいつらとも会うだろうし、その時は敵意を出さねェこと。わかったな」
私は小さく頷く。
「あいつらと仲良くしてやれ。まァ、あんまり心配は要らなさそうだがなァ」
その言い方で、彼らを信頼していることが分かる。それがなんだか嬉しかった。
「晋助。私、嬉しい。……晋助を信頼している人がいること、あなたにそんな人が出来たこと。とても嬉しい…」
私には、そんな人いないから…と言えば、彼はため息をついた。
「それァ、俺はお前に信頼されてねェのか?」
「え……」
「俺の事、信頼できねェか」
「だ、だって私なんかが晋助のこと信頼していいわけ……」
そこまで言って、彼の真剣な瞳に気圧され、私は言葉に詰まった。
「信頼、してねェんだな…」
「あ、いや……ごめん。あの頃からの仲だもんね、信頼しない方がおかしいよね」
そう告げると、そうだ、と言っているかのように彼は私の頭を優しく撫でた。なんだか子供扱いされてる気分……。
「ちょ、もう子供じゃないんだから離して…」
「嫌か、こういう扱いは」
「そりゃそうよ。…女として見られたいもの…」
「何か言ったか?」
なんでもない、と私は彼から離れようとした。と、その時、するりと腰に手が回される。
「え、晋助……?」
「さっきの子供扱いってのは嘘だ」
「どういう…」
「ああいう風に接しないと、女として意識しちまいそうでなァ。お前ェは、俺の事、ただの昔の仲間としか思ってねェのになァ」
ふっと笑う彼。その笑みは、どこか哀しそうだった。晋助から発せられた言葉にはっとなる。これはもしかして私たち……。いや、でも、気持ちを伝えて関係が崩れたら嫌だと思う自分もいる。それでも、私は………。
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苺みるく - 読んでて、めっちゃドキドキしました!これからも、応援しています! (2018年12月7日 21時) (レス) id: d9dead7c75 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» もったいないお言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願いします*_ _) (2018年12月3日 21時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます!素晴らしかったです!これからも頑張ってください! (2018年12月3日 20時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます! (2018年12月3日 17時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» リクエストありがとうございます!わかりました、書かせていただきますね! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜ノ華 | 作成日時:2018年11月18日 18時