暗闇 【土方十四郎】 ページ27
真っ暗で何も見えない。誰がいるのかすらわからない。暗闇は、こんなに怖いものだったか。
「十四郎…っ!」
いないとわかっていても、名前を呼ばずにはいられなかった。暗闇に手を伸ばす。
なにかが、ふれた。
「え…」
伸ばした手に、体温が伝わる。
「な、何…?」
恐る恐る問えば、聞きたかった声がした。
「俺だ」
ぐいっと手を引かれ、彼の胸の中にぽすりと収まる。彼の匂いがする。
「何、泣きそうな声してたじゃねェか」
どうした? と優しく問いかける十四郎。あんまり、弱ってるところ見られたくなかったのになぁ…。
「真っ暗で、誰もいなくて、怖くて…いないってわかってたのに貴方を呼んで…」
そうしたら、十四郎がいてくれて。
「安心、した…」
聞き慣れた貴方の声がして。人の温もりに触れて。
「安心したの…」
泣きそうな声なんかじゃなかったもん。安心した時の声だもん…と付け加えた。薄れた恐怖。濃くなった安堵。少しだけ煙草の匂いがする十四郎に、ぎゅっと抱きついた。
「そりゃあ良かった」
頭上で優しい声がする。
「離れないでいて…」
「当たり前だ」
これからもずっとそばにいてやるよ。彼は私の額にキスを落とした。
寝起き【坂田銀時】→←キャラと性別変わってみた【リクエスト】
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苺みるく - 読んでて、めっちゃドキドキしました!これからも、応援しています! (2018年12月7日 21時) (レス) id: d9dead7c75 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» もったいないお言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願いします*_ _) (2018年12月3日 21時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます!素晴らしかったです!これからも頑張ってください! (2018年12月3日 20時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
土方美夏 - ありがとうございます! (2018年12月3日 17時) (レス) id: db9e24e33f (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ華(プロフ) - 土方美夏さん» リクエストありがとうございます!わかりました、書かせていただきますね! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 7f3516e8f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜ノ華 | 作成日時:2018年11月18日 18時