第22話 心に誓い、貴方に願う ページ24
「やあッッ!!!」
Aが声と共に天馬に斬りかかる。
天馬はそれを受け流し、Aの右腕を目がけて木刀を突き出す。
素早くその間合いから去ったAは、姿勢を低くして天馬の腰辺りを狙って木刀を振りかざす。
天馬はその太刀を受け止め、木刀同士がぎりぎりと音を出した。
「前よかよくなったんじゃねえか。んん〜?」
「ッ………!お陰様で……………!」
そう言うと、Aは木刀の力を弱めてずらし、一気に間合いへと入ってくる。
そして天馬はそんなAに、また足技をかけようと脚をかけた。
しかし天馬の脚はAの脚を捉えきれなかった。
Aは咄嗟に脚を地面から離したのだ。また捉えられると思って。
跳んだままAは、驚いた天馬の脚を蹴って重心をずらした。
しかしA自身、重心が安定していない状態で蹴りを放ったのだから、当然バランスを崩す。
結果二人は同時に倒れていったのだ。
「できた…………………………!;」
天馬の上に馬乗りになり、天馬の顔の横に木刀を突き刺したAが言う。
その顔はとても嬉しそうで、今まで練習してきた成果が出たという顔だった。
そしてそんな笑顔に、天馬はついに決意した。
天馬は自分の上に馬乗りになったAの腕を引っ張り、肩ごと抱きしめる。
「えっ!?て、天馬様!?何を……………」
天馬は強く強く抱き締めた。布ごしに天馬のぬくもりを感じ、天馬のにおいを感じ、Aはボンッと顔が赤くなる。
「ぜってぇ、守る。お前のこと、何があっても守ってやるから……………!」
Aを胸に抱き、耳元で呟く。
その言葉の意味を、Aはまだ解らなかった。
俺が、守る。ケガレからも、有馬からも、運命からも。
だって、何度でも見たいと思ってしまったから。こいつの笑顔も、俺にだけ見せてくれる多彩な表情も、めくるめく絵本のように変わっていくこいつの姿も、全てが、見たいと思った。
天馬は強く決意する。脳裏には砂浜での約束が浮かんでくる。
こいつがあんな決意をしたのなら、俺も答えてやらねえとな………………
天馬は腕の中のAがすっかり憔悴しているのにもかかわらず、抱き締めるのを止めなかった。
いつまでも、お前が笑っていてくれるように……………
俺は願おう。そして心に誓おう。
お前を、何があっても守ろうと。そしてそれが"運命"に立ち向かうことだったとしても。
俺は………………………………………………………!!!
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時