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第21話 迷いながらも ページ23

その日の任務では、天馬はどこか様子がおかしかった。いつもより、顔が険しいのだ。

とは言っても、十二天将最強の名は廃ることはなく、動きに迷いはない。
よって天馬の変化に気がついたのは、共に禍野へと降り立った十二天将"朱雀"の斑鳩士門のみであった。

「天馬、お前、どうしたんだ。何かあったのか?」

現世に戻り、本部へ向かった天馬の隣に並んだ士門が声をかける。



「…………トリ丸よぉ。お前、もしも大切な奴が死なないといけない運命だったら、どうする?」

士門の問いかけも無視して天馬は話す。今日の天馬は虚空を見ているような目をしており、士門はそんな様子に呆れながらも、答えを出す。


「だったら俺はその運命を変える。死ななくても良いように、最善を尽くすだろうな…………。」

そう言った士門の瞳には、彼の愛する妹が映っているのかもしれない。

「へえ…………………………。」

天馬はまだ、答えを出せずにいた。


鸕宮家に戻った天馬は、今朝Aが修行をしていた訓練室を覗き込んだ。
するとそこには、今朝……つまり八時間近く前から修行をしていたというのに、まだ一人で剣を振り続けているAの姿があった。

「お前………………………。」

天馬が呟くと、Aも天馬の存在に気がついて頭をさげる。

「天馬様、禍野での任務お疲れ様でございました。」

「ああ……………………………。」

するとAが少し遠慮したような顔になり、おずおずと切り出してくる。

「天馬様……もしお時間があれば、また一つ、稽古をつけていただけませんか……?
…………………あっ、いつかでいいです!」

天馬は少し考えた。
しかし、今ここで逃げるわけにはいかないと思い、そこにあった木刀を抜き出して答える。

「………………やるなら今だ。ちゃんと強くなってるんだろうな。んん?」

無表情で言う天馬に、Aは少し違和感を覚えたが、せっかく時間を割いてもらったのだ。
失望はさせたくない、と改めて木刀を握りなおす。
そしてまた朝のように微笑む。

「はい!ありがとうございます!」

そうして2人は再び、訓練室で対峙することになったのだ。

第22話 心に誓い、貴方に願う→←第20話 天馬の迷い



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設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

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