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第18話 光の中で………… ページ20

障子の隙間から入り込んだ淡い朝日が、Aの頬を照らす。

そのふんわりとした暖かさに、Aは目を覚ました。

すると、目の前にあったのは、朝日ではなく、


「天馬……………さま?…………って、えええええええぇぇぇぇぇええッッ!!!?」

と叫びかけたところで、衝動をなんとか抑え、今の状況を整理する。

今、横向きにして眠っていた自分の前には天馬様がすやすやと眠っている。

確かに、昨日この部屋に来て眠った天馬様に自分は布団をかけた。
けどその後、この布団に入っていきた経緯はまるで分からない。

とりあえず自分は布団から出ようとした。が、

「痛ッ………?」

驚いたことに、Aの髪の毛が、天馬のきていた着物の装飾用のボタンに引っかかっていたのだ。
仕方なく起き上がるのをやめて髪の毛をほどこうと手を伸ばす。
こうして見ると、寝ている時の天馬は表情も安らいでいて、可愛い、と思ってしまった。

すると、伸ばした手を天馬が掴んだ。

「昨日はよく寝れたか。んん?」

「お陰様で…………。っていうか!!何でここで寝ているんですか!?」

「部屋に帰るの面倒くせえなって思って。」

「面倒くさいって………。」

「そんで、お前は今何をしようとしてたんだ。んん?」

天馬が握った手をぐいと引き寄せ、目覚めた時よりも近く天馬の顔がある。
Aはそれにびっくりして、慌てて目線を逸らした。
ただでさえ同じ布団にいたことにドキドキしているというのに、これでは心臓が爆発してしまう。

「ち、違うんです。髪が、引っかかってしまっているので…………。」

「んん?本当だな。」

そう言って天馬はボタンに絡みついているAの髪の毛を解き、握っていた手も離す。

それと同時に、心臓が飛び出しそうなほど動悸が速くなっているAは、布団から飛び起きた。

「で、では、身支度をしてまいりますッ!!」

そう言い、自室から出て行くAの後ろ姿を見ると、天馬はふっと顔色を変える。

その表情は険しく、悲しそうで、不安そうでもあった。

昨日の記憶を、呼び覚ます。

天馬は、考えていたのだ。自分のすべきことを…………………………

第19話 有馬と天馬→←第17話 天馬のいない時間



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設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

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