第14話 眠れない夜 ページ16
「へえ……………………………!」
Aの目の色が変わったのを見て、天馬は満足そうに笑った。
そして立ち上がると、Aの正面に立つ。
「お前が強くなりたいなら、俺がお前を強くさせてやる。強くなるまで、守ってやる。周りに何を言われようが、何をされようが、もう後戻りはできねえぞ。いいか?」
そう言い手を差し伸べてきた。
その手を掴んでしまえば、もう"戦場"からは逃げられないだろう。
しかし、Aは迷わず差し伸べられた手をとり、立ち上がる。
「望むところです。それが、私の居場所になるのなら…………!」
闇の中で光る天馬さんの左眼が、星と同じくらい輝きを放っているように見えて、ずっと目の奥でちかちかとしていた。
「そういえばキツネ子。」
「なんでしょうか……?」
「お前、夜一人で寝られないらしいじゃねえか。んん?」
「どっ、どうしてそれを………………!?」
Aの顔がみるみるうちに紅潮する。
そんなAの様子も気にせずに天馬は言う。
「寝られねえなら、お前が寝るまで一緒にいてやろうか。んん?」
「いやっ、そ、それは大丈夫です!ご心配なく……………!」
「それかいっそ、一緒に寝るか。うん、その方がいいな。」
その言葉を聞いて、Aはボンッ!!と顔が林檎のように赤くなる。
「いや本当に大丈夫ですから!!克服したいと思ってましたし!!」
「なら、時々様子を見に行く。」
そう言った天馬の顔は、有無を言わさぬ表情で、Aは渋々ありがとうございます、とだけ言った。
結局、鸕宮家に戻り床に着いた後も、抱きかかえられたまま空を飛んだり、砂浜で言われたことも頭から離れず、脳内を駆け巡って、まるで眠れなかった。
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時