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第9話 2日目の朝 ページ11

朝起きると、昨日寝ていた部屋にいた。
また「鸕宮家」で一夜を過ごしたらしい。

身体を起こすと妙にだるくて、

「疲労とストレスかな………………。」

そう呟いた。

「起きたか。キツネ子。」

自分のではない声に驚き、声の方向を見ると、あのオッドアイ青年がいる。
いや、オッドアイ青年ではなく、「鸕宮天馬」というらしい。

「鸕宮…………天馬、さん。」

「いちいちフルネームで呼ぶな。んん?」

そう言うと天馬は持っていた風呂敷包みをAに差し出す。
中を開くと、そこには真新しい白い狩衣があった。所々に水色のラインが入っていて、それでも女の子らしくニーハイのブーツや裾がスカートのようになっている。
肩の所を見ると、桃のシンボルが印象的な、「鸕宮家」の紋章が記されていた。


「あのー…………………。これって…………。」

「葛城A。今日からお前は鸕宮家の人間だ。お望み通り、修行をつけてやるよ。」

脳みそが未だ反応できていない。眠すぎて耳に変なフィルターがかかっていると願いたい。

「え………。それって、もう決まったんですか………?本人の意思とかは…………………。」

「ない。」

「でも……………これって場合によっては誘拐になったり…………?」

「ならない。」

「そ、それに…………焔魔堂家にお礼がまだ………………。」

「必要ない。」

抵抗を試みた発言全てが一刀両断され、Aはがっくりとうなだれる。
天馬はそんな様子を見て軽く微笑むと、

「それを着て俺の所まで来い。」

と言い残し、部屋を出て行った。

昨日あんなことがあったのに、私なんかを家に置いてていいのかな……………?

そう思ったが、とりあえず着替えようと狩衣を取り出した。

びっくりするほどぴったりで、少し怖いくらいだった。

「サイズ………………………いつ測ったんだろう…………。」

それにあの天馬って人、怖かったり笑ったりで何考えてるかわからないな………

身体の妙なだるさは変わらなかったし、未だこの家に預けられたことに納得もしていなかったが、どちらにせよ今の自分には陰陽師としての力が足りなかった。
そのために、何をしてでも強くならなければ、と思った。

変わるための第一歩、未来のための第一歩、そんな想いも込めて、Aは歩みだした。


次回へ、続く!

第10話 家出→←第8話 ウカミと澪紅璃



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設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

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