【派生作品】Er und Ich. / 彼と僕。

おじゃましま〜す　6/28 ページ15

今日は仕事終わりの澪がミヒャエルの家に遊びにいく日。
ミヒャエルは忙しかったのにも関わらず、時間を削ってまで部屋の掃除をした。今か今かと澪が来た合図であるチャイムが鳴るのを待っていた。

「おじゃましま〜す」
「ア！いらっしゃイ！…って私服すごいネ(笑)」

ミヒャエルが笑いを溢すのもよくわかる。
澪の今の服装はアイドルの時とはかけ離れたものであった。
変装のつもりだろうか。
いつもはかけない眼鏡をかけ、黒いパーカー…。澪なりに目立たない格好のつもりなのだろう。しかし、ミヒャエルからしたら、ミルクティー色の髪色と水色の瞳が黒に映えるばかりで、逆に目立っているのだ。

「ていうかサ、澪も人のこと言えないヨ。すっっっごい目立ってるシ(笑)」
「え？目立たないでしょ。だって全身黒か灰色統一だよ？」

天然なのか、ただただ頭が足りないのか、澪は暗い色で統一すれば目立たないと思っているらしい。

「なんか澪はそうゆーとこ抜けてるよネ(笑)澪かわイ〜♪」

ミヒャエルがそう言うと、澪は頬を膨らませて目の前にいるミヒャエルから目を反らした。

「もう知らない。帰る。」
「ア、ごめんっテ(笑)」

ミヒャエルはそう言って澪の肩を掴み、自分の方に無理矢理振り向かせた。

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