十三香 ページ15
お風呂から上がって、髪を乾かす。
と云ってもドライヤーはなかったので、扇風機の前でタオルで拭き乍乾かしているのである。
「大変だねェ〜」
『今度ドライヤーを家から拝借してきます。』
エリスちゃんは何とかなるでしょう。
何時も気づいたら乾いてるし。
「何時か返すの?」
『死んだら……。』
「立派な借りパクだよ。」
借りパク?
私が貰ったと云えば借りパクにはならないです。
すると、隣に太宰さんが腰をおろす。
そして私と一緒に扇風機の心地好い風にあたる。
「あ"〜、我々は宇宙人〜。」
『子供ですか。』
「あ"〜、オレオレ、ポートマフィア〜。」
『何と薄情な詐欺ですか。』
電話掛かってきて出てみたら「オレオレ、ポートマフィア。」って云われて金銭振り込むおばあがこの世にいるものか。
流石に気づきますわ。
『……涼しいですね。』
「……暑いかなァ。」
正反対のことを云う私たち。
確かに、こんな至近距離にいれば暑くはなるだろう。
だが生憎私は躰が冷えやすいため、涼しいのだ。
『一寸した疑問なんですが、』
ふと、口から溢れる疑問。
答えてもらえるかの保証は全くないけれど、
『太宰さんのフェロモンって、如何してそんなに濃いんですか?』
普通、この年齢でフェロモンが強い人は余りいないだろう。
大体二十代後半から五十代弱ぐらいの人に濃くて多い方が多い。
其は、色んな色事を経験しているからと云うこともある。
だから、若しかしたら彼はそう云うことを沢山……、
「かもしれないね。」
『……!?』
また心を読まれてしまった。
太宰さんの顔を見ると、少し寂しそうだった。
『辛い、ですよね。』
「さァ?でも、余りいい気分はしないよ。
だって別に気持ち良くもないし、何より好きでもないから。」
そりゃそうだ。
凡て、仕事でしているのだろう。
伯父様の話を一度盗み聞きしたことがある。
とある幹部と話をしていた時で、色仕掛けをしてくる所を仕返せ、と云っていた。
可哀想だよね、とエリスちゃんに云うと、エリスちゃんに不思議な顔をされてから思い止まっていた。
すると、太宰さんが続けた。
「君なら、如何だろうね。」
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時