十香 ページ12
現在7時20分、世間ではこの時間帯は夜ご飯を食べているのではないだろうか。
と、云う訳で、
『ご飯、作りましょうか。』
「作れるの?」
『ええ、エリスちゃんの為にと、昔から料理には励んでました。』
事の発端は三年前、突然エリスちゃんが私のご飯を食べたいとせがんできたのだ。
断る理由もないので作り始めたのが最初。
私は案外手先が器用らしく、料理を習得するのに特別難は感じなかった。
『何にしましょう?』
「和食が良いな。」
『分かりました。』
太宰さんは和食が好きなのかな?
そう云う所も、今後は考えないといけないのか。
因みに伯父様は和食、洋食どちらも好きで、エリスちゃんはケェキが好きだ。
冷蔵庫には、取り敢えず今日と明日の朝ごはんの分はある。
和食…天麩羅でも揚げようか。
あとは適当に味噌汁と前菜を作れば、彩りと品数的にはどうにかなるだろう。
そうと決まれば、行動に移す。
久々に手の込んだ料理を作ると、四十分ほど掛かってしまった。
___________
_____
「…美味しい。」
『善かったです。』
少し心臓の音が和らいだ気がする。
怖かった……何を云われるかひたすらヒヤヒヤしてた……。
「意外だよ、君、何でも出来そうだね。」
『いえ、そんなことはないですよ。』
首を横に振ると、ブツブツとそんなことないのにな……、等と呟いている。
お世辞の上手な方だ。
思考を張り巡らせ乍ら、箸を進める。
天麩羅は南瓜、薩摩芋、蓮根、鶉卵、海老を揚げたのだが、どれもちゃんと出来ているようだ。
他には豆腐の味噌汁、ほうれん草の胡麻和え、千切り大根等を作った。
どれも太宰さんの口に合ったようで、とても安心した。
先ずは胃袋から掴むべしってか。
「そうだねェ……、なんなら胃袋そのまま抜き取ってくれても構わないんだけど……。」
『そんなグ□テスクなことしません。
と云うか今私の頭の中………、』
「ふふふっ、」
あ、笑って誤魔化した。
読解術でも取得しているのではないだろうか。
と云うか、この人こそ何でもこなしてみせそうだ。
はたまた、人○を超えたことさえも。
この微笑みの奥には、矢張り深い、何かが潜んでいそうだった。
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時