# 6 ページ7
「なぁ、A！お前と兄貴はどーいう関係なんだよ？！もしかして、その…、コイビトってやつか？！」
キラキラした目でこちらをみるイザベル。
かわいい！！ … じゃなくて！
イザベルの純粋な質問に目をぱちくりとさせる私とリヴァイ。
リヴァイが私の恋人？いやいや、そんなわけ！
「ないない！タダの友達だよ。」
「何を寝ぼけたこと言ってやがる、イザベル。」
やれやれ、と呆れるリヴァイが目に入り、なんとなくムカッとする。
そうなのか…。と、何故かしょもくれるイザベルを横目に見ながら、思わず苦笑した。
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暫く話に夢中になっていると、イザベルの瞼が少しずつ上がらなくなってきた。
「ふふ、イザベル眠そう。」
「うるせぇな、眠くねぇし…」
そう言いながらも船を漕ぎ出す彼女に、思わず苦笑してしまう。
地下街には光があまり届かないから、朝や夜の区別はあまりないけれど、なんとなく静寂に包まれる雰囲気を感じる。
「…もう、夜かな？」
窓の外に目をやる。
地下街はいつも危険だけど、夜はもっと危険。
憲兵たちも夜には来ないし、そういう奴らが活動するにはうってつけの時間だ。
「そろそろ帰らなきゃ…。」
少し重たい腰を持ち上げて立ち上がる。
リヴァイに目をやるが、目線はファーランに向いていた。
「なんだ、言いたいことがあるなら言えばいいだろ」
…？ 全く話についていけない…。
すると、ファーランはもじもじしだして、目を泳がせ始めた。
「あ、…えっと、その…」
「どうしたの？」
3人(ほとんど2人だけど)の目線が集まり、ファーランはやっと口を開いた。
「…お、俺たちと、一緒に住むとか、…」
俺たちと、一緒に住む。
ファーランから投げかけられた言葉を丁寧に咀嚼して飲み込む。
家主のはずのリヴァイに目をやると、ふん、といった表情で紅茶を飲んでいる。
「…オレは構わねぇ。まぁ、A、お前が決めると良い。」
唐突の誘いに、嬉しくない訳がなかった。
今まで、父がいなくなってから、1人寂しく生活してきた私にとって、とても魅力的な誘いだった。
「ありがとう、ファーラン。すごく嬉しいよ！」
「それじゃあ…？」
すこしそわそわしながら、ファーランは私の返事を待っていた。
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作者名：来世は春菊 | 作成日時：2023年11月25日 23時
