いつか、絶対に。【進撃の巨人】 (ページ45)

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#　43 ページ45

「巻きにくいな…」

　私の、痛みを訴える声に反応せずに傷を洗い終えたリヴァイは、包帯を手に取り巻こうとしていた。

　しかし、親指の付け根が邪魔をして、包帯を上手く巻けないでいるようだった。

　
　より一層鋭い目付きになるリヴァイの、横長の三白眼を見つめる。

　…リヴァイは、どう思っているのだろうか。

　悔しいと思っている…？それとも、何も思っていない…？

　リヴァイはきっと、巨人に対する恨みだけでブレードを握っている訳では無いはず…。

　
　地下街にいた時も、恨みだけで動くような単純な男ではなかったはず。

　じゃあ、リヴァイをここまで奮起させているものは、なに？

　
　少しづつイラついてきた思考をよそに、リヴァイは私を見あげる。

　「…これで良いだろ。手当ての続き、するぞ」

　
　包帯を、縦に半分に折って使ったらしい。

　手も思ったより動かしやすく、リヴァイに「ありがとう」と伝えると、リヴァイは軽く私の頭を撫でた。

　「…手当に集中しろ、良いな」

　「うん…」

　リヴァイもきっと、私がずっとさっきの事を考えているのは分かっていたのだろう。

　…でもやっぱり、考えすぎは良くないのかもしれない。

　私が今、ここでひたすら考えたってどうにかなるもんでもないし。今できるのは、負傷兵たちの手当だけ。

　自分の非力さを痛感して、自嘲気味に乾いた笑い声をもらす。

　「…おい、今言ったばかりだろ。とっとと手当にかかれ」

　リヴァイが私の頬を掴み、正面に向ける。リヴァイの真っ黒な眸子は、私の意識を集中させるのに充分だった。

　「早くやれ。」

　「うん。」

　集中しないと。

　新しく水を汲んだ桶を持ち、負傷兵が横たわるベッドの横に腰掛けた。

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あけましておめでとうございます。

私の中の勝手な設定ですが、Aちゃんは人の目に弱いです。

今年もよろしくお願いします。