いつか、絶対に。【進撃の巨人】 (ページ17)

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｢A、起きて。朝だよ、遅刻する｣

　肩を揺さぶられる感覚で目を覚ますと、髪をひとつに纏め支度し終えたアーツがたっていた。

　｢ん、おはよう…… ｣

　微笑みながらも準備を手伝ってくれるアーツは本当にお姉ちゃんみたいだ。

　｢A、行くよ。｣

　｢ごはん？たべる。｣
　
　
　｢うん。だから食べに行くんだってば｣

　毎朝さほど変わらない会話をしながら支度を終え、部屋を出る。

　
　朝から雨が降っていて、兵舎はなんとなく暗い雰囲気をまとっていた。

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　｢セルビターはいるか？｣

　みんなで長机を囲んで朝食をとっていると、教官の声が響きわたる。

　
　いきなり自分の名がよばれ、思わず肩を揺らしてしまって恥ずかしかった。

　｢はい。ここに。｣

　手を挙げ立ち上がると、私の姿を目視した教官は私を手招きした。

　｢どうなさいましたか｣

　少し足早に教官の元まで行く。

　｢君に来訪だ。｣

　教官はそれだけを述べ、私を食堂の外へ誘導した。

　｢来訪…？一体、誰が｣

　まさか、父が…？

　
　一瞬だけ思い浮かんだ希望を捨てるように頭を振る。

　そんなはずは…

　｢調査兵団の分隊長と、兵士が1人。｣

　教官は落ち着き払った様子で答えると、廊下の向こうに目線をやった。

　その先には、丁寧に分けた金髪を靡かせ、遠くからでもはっきり分かるような碧眼の男が立っていた。