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「……っ、わん………」
…。
存外に恥ずかしいっ!なんだコレ!ただ『わん』と犬の鳴き真似をするだけなのに、クラスメイトからある程度離れた所で一人で言うとなると何処からか照れくささが…。
「あれ?なんも起きないね〜。あ、犬じゃなくて猫だったかな〜!」
「えっ」
「ほら、にゃあって!」
「に、にゃあ…」
「声が小さい!もっとこう、猫に成りきって!はいもう一回!」
「にゃあっ……!
…って、結局何も起きな──」
明らかにふざけてる彼に文句を言おうと、振り返った時。
いや、正確には、振り返ろうとした時。
「──!?」
身体が動かなくなった。
「A?どうかした?」
「か、身体が…」
なんだ?金縛りか?例の菅原道真が解き放たれたような気配は感じない。声も出すことができる。身体の自由だけ奪われた…。
「A、大丈夫?」
そう言って近寄ってきた彼は、俺の頬を両手で包んだ。その手はひんやりとしていて、彼の香りが鼻をかすめた。視線だけで見れば、彼は心配そうな顔をしていた
わけではなかった。
無。驚く程に、恐るべき程に彼はどの感情も携えていなかった。俺のクラスメイトは、軽薄そうな男だった。でも、そんないつもの彼なんて、もうどこにもいなかった。
「ごめんね、A。都市伝説の話は嘘なんだ。あれはAを嵌めるための罠」
突然、ピリリと肌が痛んだ。弱小な電流が肌を突き刺してくるようだった。それは紛れもなく呪力で、間違いなく頬から伝ってきていた。
彼の瞳が、一瞬揺れた。
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砂漠 - エレナさん» ありがとうございます!そう言って頂けるととても励みになります(●︎´▽︎`●︎)これからも楽しみに思っていただけるよう頑張るので、ぜひ最後までお付き合いください、、、(_ _*)) (2022年4月2日 11時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
エレナ(プロフ) - この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年3月26日 21時) (レス) @page16 id: 806542db6b (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - お餅さん» まーたやりました。今日何回目ですか、私!!1個下のコメントはお餅さんへの返信です、、、失礼しました、、、お餅さん、コメントありがとうございました✨ (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、更新も頑張っていきたいと思います٩(ˊᗜˋ*)و最後までお兄ちゃんを応援してあげてください(_ _*)) (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» いや、私もタイトルとの温度差は感じていたんですよね、、、ですが地獄を見たというお言葉に笑ってしまいました😆最高の褒め言葉ありがとうございます!お兄ちゃんには幸せになって欲しいですね、、、頑張ります🔥 (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂漠 | 作成日時:2021年12月11日 11時