クイズに愛された美少女

入試 ページ39

あのパインアメの終始よく分からなかった実験の1年後。

私は東大入試の日を迎えていた。


高校3年生になった私は、三拓のみなさんに教えてもらいつつしっかり勉強したので、判定はAかBを行き来するぐらいになった。


川上さんに国語を、
河村さんに数学と理科を、
伊沢さんに社会と英語を叩き込まれたので、
塾には行かなかった。

本当に恵まれた環境だと思う。



QuizKnockは、Youtubeチャンネルを始めたりライターさんを増やしたりと、どんどん大きくなった。

それでみなさん人気が出たみたいで……もちろん良い人たちだしカッコいいし分かるんだけど、少し寂しい。



だから今日は東大に合格して、みなさんに少しでも近づきたいんだ。


センター試験では落ち着いて解けた。そしたら数学と英語で満点を取ることが出来た。

すると、なんと驚くべきことに早稲田の合格を取れたのである。

自分でも驚いたし、教えてくれた皆さんもびっくりしてた。

……川上さんがあんなに目を見開くことなんてなかなか見ないと思う。




そして迎えた本日。

私は理科二類を受ける。


伊沢さんが書きやすいからオススメと言ってくれたシャーペンと、

河村さんが神社で買ってきてくれたお守りと、

(神なんだから買わなくてもいいのにとか思った)

川上さんが手とか冷えたら大変やろと言ってくれたカイロを持って受験会場に向かう。




試験は確かにすごく難しかったけど、落ち着いて解くことが出来た。


試験中もずっと合格したいという思いがあったからかもしれない。


神様が味方してくれたのかな。


そして、もう一つ嬉しいことが。

席が前だった女の子と少し仲良くなれたのだ。

お名前は分からないけど、小さめの背にまんまるな童顔の可愛い子だった。



会場に着いてみたら足元にシャーペンが落ちていて、前の子に

『これ、違いますか？』と小声で聞いたら

「あっあっありがとうございます……」と慌てながら返しつつ受け取ってくれた。


私の話し掛け方が悪かったのかな……


何はともあれ、受験は悔いなく終わったと思う。

この1年、少しクイズから離れた生活を送っていたので、またクイズができると思うと嬉しいな。


『わー！』

路地に誰もいないことを確認して、控えめに叫んだ。

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