クイズに愛された美少女

過保護 ページ26

(伊沢さんSide)

今日は母校である開成に来た。
文化祭だからね。


そしてやって来たのはクイズ研究部。

__俺とクイズの出会いをくれた場所。



という訳でやってきたのだが……

『お疲れ様でーす！』
と声を掛けながら入ると、

うぉーーーと湧き上がる後輩たち。

ちょっと恥ずかしいけど嬉しい。

俺がいた頃とは違って活気に満ちた部活に名残惜しさと喜びを感じる。


俺は未来の最強クイズプレイヤーになるであろう子とか知りたいので、
(まだ俺も大2だけど)

『ねぇねぇ、同世代で推しとかいないの？』

という会話を始めてみた。


すると、部員たちは口を揃えて言った。

「AAちゃんです！」

……人気過ぎない？


後輩たちの話によると、

押すときのカッコいい感じと
話すときのふわふわした感じ、

そして正解したあとの綻ぶ顔がたまらないらしい。

……分かる。
よく分かる。
分かるけども‼

これだけ同世代の男たちをファンに付けてるんだ、ますますAが心配になった。

部室をよく見てみたら、QuizJapanのAのページがあるし。


『え、みんなその子好きなの？』

あくまで知らないふりをしてみると、

「好きです！推しです！」
「彼女にしたい人１位！」
「タイプです。」

なんてすごい回答が。

ここまでくると少し心配になってくる。

……川上が過保護になるのもわかるな。

しかも自分で言うのもなんだが、男子校生徒はかわいい子への興味が深いのだ。
接触したらどうなるか分からない。

少しAが心配になってきた。


そういえばこの前のTQC早押しトーナメント戦でも超人気だったし。


あの日、終わったときには時間も時間だったので、川上にAを送らせた。

すると後片付け中に、誰かが言い出した。

「AAちゃんマジ可愛くね？」と。

そうしたらどんどん広がっていくその話題。

「いやー。川上との早押しは超カッコよかったな。」

「でも自己紹介のときは緊急しててかわいかった」

「川上に嫉妬したわ、アイツもそこそこイケメンだから傍から見たらカップルじゃね？」


……なるほど。これは人気だ。


男子中学生、高校生、大学生から絶大な人気を誇るAなのに鈍感。


少し川上に同情したひとときになった。

テレビに知り合い→←_

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す