林檎が1個 ページ2
夢主side
ずいぶん遠くまで来てしまったな…
此処は、町並みからしてヨコハマだろうか?
…そんなのどうでもいいか
『……誰か私を助けて』
意図しないうちに出た独り言は降り始めた雨に
消えていった。雨か鬱陶しい…降りかかる雨を
防ぐものなど無いのに、体温を逃さないように
私は自分の体をきつく抱いて俯いていた。
すると…雨が止んだ、いや降っている?
?「君はどうしてこんな所にいるのかな?」
突然声をかけられ驚いて顔を上げると
長身で包帯だらけの青年が私の方に傘を傾けて
くれていた。私は呆然とその青年を見ていた
?「私の名は太宰、太宰治だ。君の名前は?」
私は何故この青年に名前を聞かれいるの?
応えようか悩んでいると、足音が聞こえた
?「オイ、太宰!手前こんな所でn太「うげ、中也」
殺すぞ…俺は手前が消えたから探しに来たんだ」
太「私を探す?気持ち悪い!!!蛞蝓の癖に…」
ん?蛞蝓だって?なんで蛞蝓なんだろうか…
この帽子の少年…いや、青年か?挑発に乗り過ぎ
中「何だと手前!!俺は首領に報告しに行くのに手前を探してたんだよ!女の敵が!!!」
太「えぇーそんなの君が行けばいいじゃあないか
まさか…一人で行けないとか双黒(小)君ニヤニヤ」
太宰、と名乗った青年は帽子の青年に向かって
ニヤニヤしながらドヤ顔?で言い放った。
中「誰が双黒(小)だ!ん?その女はなんだよ」
太「まだ名前を聞いていなかったね」
『私は…A』
太「Aちゃんか、君は何故ここに居るのかな?」
『両親が殺された。行く宛もないからフラフラしていたけど、流石に疲れたから座っていた』
私は今まであったことを簡潔に言った。
事実だからやましいことなんてないが、この人達は
関わらないほうがいい、と本能が告げている
中「太宰……」
太「何だい?」
中「アイツ、逃げたがいいのか?」
こういった場合は厄介になる前に逃げるが勝ちだ
疲れた体に鞭打って逃げる事だけを考え異能力を
発動して空を飛んだ。
太「中也、さァ君の出番だよ!」
中「はぁ?チッ重力操作」
中也と云う青年に足を掴まれたと思えば
突然私の体は地面に押し潰された。
まるで “ 私にだけ重力が増えたような ”感覚
『グッ…は、離して……』
太「ダーメ、私達と一緒に来てくれるよね?」
冷たく笑った太宰青年の瞳には光がなかった
そしてこの目は…私の目とよく似ている
この世に生きる理由を探しもがく孤独の影……
だから私は……頷いた
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作者名:蒼優希 | 作成日時:2017年3月20日 16時