同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ34)

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もう一度？ページ34

放心した私に、中山さんが声をかける。

中『明日香はずっと、ずっと後悔してた。それを謝りたかったんだよ。そんで、終わりにしたかったって。』

終わりに？
なにを？

中山さんが、明日香さんの頭をなでる。

中『どうするかは、君次第だ。彼は今も、公園に行ってるから。もう一度、話しだけでもしてもらえないか？』

また、先輩に会う？

こんな話しを聞いたあとに？

私は立ち上がった。

『帰ります。』

二人はなにも言わずに私を見送った。

フラフラと、街を歩いた。

涙がとまらない。

はじめて聞いた、先輩の知らなかった感情。

あれは本当なの？

本人に聞いたわけじゃないから…嘘かもしれない。

でもーーー…。

先輩。

せんぱい…。

本当なんですか？

また、涙がこぼれて。

ポケットに手を入れた。

そこにはないネックレスを握り締めるみたいに拳をにぎった。

その時、携帯がなった。

携帯を開いて、

『はい。』

ーー…今日はどこで寝てるの？

和の声。

機嫌の良さそうな声で。

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胸が痛い。