同居人は有名人《ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ》 (ページ25)

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25、誘惑？ページ25

ニノ『マグカップはもらいもの。
メロンパンは朝いつも食べるから買い置きしてただけ。嫌いじゃないし。
あと、俺ら芸能人は男でもメイクすんの。たまに落とさず帰ってるから、クレンジングもあるの。ＯＫ?』

まくしたてるように言われた説明。
たしかにそれなら納得だ。

ニノ『お風呂と寝るとこがあればいんでしょ？』

にっこり笑う彼。
どうしてそんな事を言うのかわからない。

私は普通のOLで。
顔だって普通で。
特別なものは何もない。

ただの暇つぶしかな？

それなら、なんとなく…。
でも、いかんいかん！
嫁入り前の女が…いや、相手いないけど。。

心から警戒音が聞こえる。
だめ。

頭をフル回転させて考える。
でも、混乱した頭で答えは出せない。

オロオロしている私を見て、彼が笑いながら私の目の前まで来た。

綺麗な目で私の顔を覗く。

ニノ『なに迷ってんの？行くとこないんでしょ？ならいればいいよ。玄関横の部屋だけ入らなかったらあとは自由に使ってくれていいよ。』

笑う彼。

『あ、でも…二宮さんには何も利点がない。』

いくら考えても、彼に利点はない。
なんで、そんな事を言えるのか。

もしかして…
いや、昨日あったばっかりだし…

ドクン、ドクン、
心臓がうるさい。

少し彼の目が揺れた。

ニノ『ねぇ、居てよ。』

そんな言葉。
目の前で、真剣な顔で。
ちょっと淋しそうに。

え、え、やっぱりこれって？

うろたえながら、それでも彼の目から逃れられない。