マフラー《Shoma.Uno》 (ページ9)

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「っ…んん…いたっ！」

目が覚めると、激しい痛みに襲われた。

「あっ！A！先生！Aが目を覚ましました！！」

「あれ…ママ…」

どうしてここにママがいるの…？

そもそもここはどこ…？

私は過去の記憶を張り巡らせていく。

…そうだ…リンクで倒れたんだ。

「Aちゃん、こんにちは、担当医の立花です。ちょっと診させてね」

白衣を着た、病院の先生らしき人に、色々検査される。

ふと、頭に手を当てると、そこには大きなガーゼがはられてあった。

「ここ…血が出たところだ…」

「そうだね…ここから血が出たみたいだね。ここを手術して縫い合わせたんだよ。Aちゃん、3ヶ月も目を覚まさなかったんだ」

お医者さんはそう言う。

「…縫ったんだ…」

よほど大きく切れていたみたいで、3針も縫ったらしい。

「ねぇ…？ママ、スケートはできるよね？」

「……もちろん。でも、発表会は明日なの。今回は諦めるしか…」

「っ…やだ！！私、発表会でる！」

絶対出たかった。

ここで諦めるなんか、今の私の選択肢にはなかった。

「でも…A、今から取り戻すのは…「やっ！私絶対出るから！！！」

「…先生…」

お母さんは、困ったような顔でお医者さんを見た。

「…分かりました。それなら今すぐ退院手続きをしましょう」

そう言われて、私はすぐに退院することになった。