104 side翔 ページ7
ﾄﾞｰﾝ！
ﾊﾞｰﾝ！
うるさいなぁさっきからドンドンバンバン
外でなにやってんだ？てか誰だ？
こんな事してるの
ここには俺しかいないはずだし･･･
あ･･･音が近くなってきた
そう思ったら白い壁がスーッと透けてきて
「はっ？」
外は戦争でもあるんですか？と聞きたくなるほど
戦車がいっぱいあった
その戦車の影からヒョコっとでてきたのは
「あー！みーつけた！」
ニコニコ笑う
「･･･え？」
子ども時代の俺がいた
そいつはこっちに近づいてきて
「ねーここあけてでてきてよー」
ドンドンと壁を叩いた
「Aちゃんがまってるよ
こんな所にとじこもってないで外にいこ！」
Aちゃんが待ってる？
「そんなわけないよだって俺ずっと避けちゃってたし･･･」
俺から言い出したのに自分から気まずくして
挙句の果てに仕事に逃げちゃったんだから
そんな俺に愛想が尽きたに決まってる･･･
あぁそう思ったらまた気持ちが沈んできた
「ちょ！もーしっかりしてよ僕！
なに弱気になってるの？
Aちゃんの気持ちきいてないくせに！」
「聞かなくてもわかるよだって俺は「わかってない！」」
強めに被せてきて顔を上げると
おれは頬を膨らませて怒ったような顔
「なーんにもわかってない！
ぼくのバカ！ヘタレ！なでがた！」
え？俺なんかおれに罵倒されてる？
「ちゃんとはなしあいなさい！」
え？俺のお母さんですか？
「ぼくじゃむりなの･･･むりだったの
だからおねがいAちゃんを･･･Aちゃんを」
涙目になりながら頼んでくるおれに
俺はゆっくりと立ち上がって目の前にしゃがんだ
そっと壁に手をあてるとおれも真似して手をあてた
目を閉じると映像が頭の中に流れてくる
ﾋﾟｷｯ
ぼんやりしてわからないけど
ﾋﾟｷﾋﾟｷｯ
多分 必死に話しかけてるのは
「Aちゃん」
パリーン！！
そう呟くのと同時に目の前の透明な壁が粉々に割れた
ゆっくりと目を開けるとそこには
「やっとでてきた」
泣きながら笑ってるおれがいた
「ごめん心配かけて」
そう言うとまたおれは頬を膨らませて
「ちがうでしょ？ぼくにあやまるんじゃないでしょ？」
「あぁそうだね」
撫でてあげると笑ったけどすぐに下を向いてしまった
「ぼくはここまでだから･･･だから」
そう言って後ろに下がろうとしたおれを
ギュッ
俺はそっと抱きしめた
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作者名：狐リス | 作成日時：2018年12月20日 17時
