雪の日 (arym) ページ7
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今日は東京でも珍しくかなりの雪が降っている。
俺は外で降りつもる雪を見ながら、人の仕事を引き受けたお人好しな恋人を待っていた。
『ごっごめん、大ちゃん。終わったよ…』
パタパタと小走りで山田が休憩室にやってきた。
待たせたと焦っているのが可愛いところだ。
「大丈夫。おつかれ、山田。はい、ココア」
そろそろ来るかな、と思い買っておいたココアを手渡しする。
『ありがとう!』
と笑顔で答えて受け取ったココアを両手でフーフーしながら飲む山田は、最初から最後まで見つめていても飽きない可愛さだ。
『どーする?電車もバスも遅延してるみたい』
「え、まじで、すごいな。雪」
『タクシー呼ぶ?』
「いや、せっかくだし歩こうよ。」
普段は、必ずタクシーを選ぶこいつも銀世界の町を歩きたいようだ。
雪が降っているだけあって、外は思っていたより寒かった。
「ざっびぃ〜」
『ジジくさいな(笑)』
「うるせ、マフラーずりぃぞ」
家を出る時にあんまり寒くなかったからってマフラーを置いてきたことに後悔する。
『大ちゃんだって、手袋持ってんじゃん』
そう言われて山田の手を見ると、何もつけておらず、寒さで指先が赤くなっていた。
「片方な」
片方だけ貸してやると
『え、右手だけ?(笑)』
笑いながら言った山田に、思わず心の中では
山田はまだまだだなぁ。(笑)
冬にしかできない恋人の醍醐味があるだろ?
なんていじってみる。
本人には言わないけど。
「左手はこうな」
そう言いながら山田の手をとり、繋いだままポケットに突っ込んだ
『だ、ば、ここ外だから!』
照れて真っ赤になった顔でそんなことを言いながらポケットから手を出そうとする可愛い恋人。
「みんな雪に夢中だから大丈夫」
なんて言ってやれば
『そ、そっか。そーだよね、雪綺麗だし』
なんですぐ納得してしまうのも可愛い。
ほんとは手を繋ぐことが満更でもないんだろう。
『ね、大ちゃん。暖かいね』
「っ、ああ、そうだな。」
びっくりした。
さっきまで可愛かったのに、微笑む顔は綺麗で
思わず見とれてしまう。
雪が降っているのに心の芯から暖かい、そんな不思議な感じ。
「な、山田」
小さく名前を呼んで連れ込んだ路地裏で
雪に紛れてそっとキスをした……
銀世界の夜は始まったばかりだ。
雪の日
fin
………………………………
季節外れなお話でごめんなさい(汗)
夏休み頑張ります……!
快晴Summer (tkin)→←曇りの日だから (inym)
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作者名:しとらすみんと | 作成日時:2020年7月12日 23時