どんな日も。 (JUMP×JUMP)

曇りの日だから (inym) ページ6

inym リアル

ym

今日は、2人のoffが合うという、1年に2、3回しかない奇跡の日。

本当は嬉しいはずなのに、空はあいにくの曇で、比例するように俺の心も曇り空。


｢どーしたの、元気ない｣

いつの間にか目の前に来ていた伊野尾ちゃんに声をかけられてハッとした。

『いや、なんでもないよ』


｢気になるじゃん、話してよ｣


『大したことじゃないんだけどさぁ
せっかくの2人揃った休みなのに曇りって…』


｢あぁ、天気ね。でも俺、曇り好きだよ｣


思わぬ返しに質問してしまう。


『元気でなくない？』


｢そうかもしれないけどさ、晴れすぎてないからこそ
できることがあると思うんだ。｣


『なぁに、それ』


｢山田、デート、デートしよ。｣


伊野尾ちゃんの思わぬ提案に思考停止。
働かない頭でまた、質問をしてしまう


『…………え？デート？』


｢ふふっ、そう、デート｣
｢デート日和の涼しい天気じゃん、ね？｣


確かに、伊野尾ちゃんはアウトドア派な1面もある、
だけど最近は誰よりも忙しそうで休みの日は充電するようにずっと寝ている。

そんな伊野尾ちゃんが休みの日にデートだなんて…


『いや、せっかくのお休みなのに外出てくれる
の？』


｢だって、最近お互い忙しくてデート行けてなかっただろ？｣


｢それに、最近近くのアウトレットにできたカフェ。行きたいんだろ？｣


『え、なんで、なんで知って……』


伊野尾ちゃんには話してない話のはずなのになぜか伊野尾ちゃんはカフェの話を知っていた。


｢彼氏、なめんなよ(笑)｣

なんてイタズラな笑顔で言われたら思わず俯いてしまう。


｢ほら、照れてないで、行くよ｣


『うぇ、うん！』



今までそんなに好きじゃなかった曇の日。


今日からは1番好きな天気になりそう…




曇りの日だから

fin

雪の日 (arym)→←雨の日も (arym)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す