【QK】取扱説明書【短編集】 (ページ17)

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甘えたい子 #ymmt ページ17

いつも通り寝る支度を終えてソファでくつろいでいる時、彼女が珍しく僕の方に擦り寄ってきた。

「どうしたの」

普段は恥ずかしがってあまり甘えたりしないのだが、今日はいつもとちょっと違うらしい。

「甘やかして」

僕の二の腕に額をつけたまま呟く彼女。
僕の彼女可愛くないですか。

「いいよ、おいで」

肩を回すと今度は僕の胸元に額を埋める。

「なんか言って」

「なんか？」

「なんか甘いこと言って」

なんか甘いこと。そんなざっくりしたリクエストが来るとは。

「好きだよ？」

「あとは？」

「愛してるよ」

恥ずかしいのか、顔を隠してしまう彼女。
その様子が愛おしくて彼女の髪にキスを落とす。

「A、僕と出会ってくれてありがと」

「…こちらこそ」

「最近考えたんだけど、もし違う世界線に生きててたとしても、出会い方が違ってもきっと僕はAのこと好きになってたと思う」

「…何それ」

「それだけAは僕にとって特別な存在なってこと」

僕の言葉に顔をあげた彼女。
心なしか頬が赤くなっているように見える。

「私もだよ」

そう呟いた彼女の唇にキスを落として、微笑む。

「可愛いいなあ、もう！」

じっとこちらを見つめる彼女がどうしても可愛くて思わず抱きしめる。

「ずっとそばにいてね」

抱きしめたまま耳元で囁くと彼女は控えめに首を縦にふった。