CASE1-7 ページ8
"取り込まれて、破壊したみんな"
"付喪神としてのみんなは取り込まれて、刀だけが残ってる"
「魂だけ化け物になって、身体が残ってるみたいな感じ?」
"そう"
"集められるだけ集めたけど、あの祟り神のせいでこれだけしか集められなかった"
「へえ…」
並べられた刀を見る。
どれも無残に破壊され、刀の原型がどうだったかは分からないが、柄の部分は無事だったようだ。
だが刀剣乱舞にそこまで精通している訳ではない私には、どれがどの刀かは分からない。
「これ、どうするの?」
" "
"祟り神にこの子たちまで取り込まれるのは嫌だったから、持ってきた"
「考えてないってこと?」
こくり、と頷かれる。
ふむ、と私は顎に手を当て考える。
「これ、刀に出来たりしない?」
"刀解はできない"
「ああいや、そうじゃなくてさ。この刀身を集めての打ち直しってできる?」
すると、妖精さんは思案顔になる。
"できた刀は神降ろしできないし、ただの刀になると思う"
「でも、このまま朽ちていくよりは…私が、戦場に持って行って刀としての本分を果たしてみせるのはどうかな」
その言葉に妖精さんはばっと顔を上げて目を丸くし、少し興奮した様子で
"良いの?"
と打った。
「まあ…私は刀を扱えないけど、埋めるぐらいはできると思うし」
"ありがとう"
満面の笑みを浮かべての喜びを見せてもらった。
正直私はこの刀らはどうでもいいが、こうやって本丸のことに責任感もって生きている妖精さんが苦しんでいるのなら、力になろうと思える。
それはまあ刀剣乱舞のキャラクターに会えると聞いて嬉しくない訳ではないが、会ったことのないいわば他人、他刃に気を向けられるほど私はお人好しではない。
いざとなれば適当に折って埋めよう。
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