CASE3-1 ホワイト系本丸 ページ30
「三日月、やっほ」
「なっ…なんだ御手杵！ここは俺以外立ち入り禁止だと言っただろう！！邪魔するな！！後で仕置きだぞ！！」
「仕置きとか素面で言うのどうかと思うわ。証拠写真撮ったしちゃっちゃと逮捕されてくれー」
「三日月、大丈夫か？」
「…いや、まこと人間というのは酷いものだな」
「まだ戦いたいか？」
「一度決めたことは曲げんよ。お主も一緒に居れば怖いものも無い」
「信頼してくれて嬉しいけどよ…これは怒っていいレベルだと思うわ」
「れべ…？」
「いや、何でもねえ」
三日月はすっかり人間不信になり、私もだいぶ人間の身体の無力化の仕方を覚えた。
最早摘発本丸件数が2桁になったという頃、漸く私たちは新しい本丸への打診を受けた。
「この審神者さんはレア運は無いんですけど、少数精鋭でほぼ全員カンスト済みなんだそうです。詳しくは担当さんから直接」
すると、馴染みのある役人の隣に座っていた黒服の若い男がぺこりと一礼してから話し始めた。
「はい。私の担当する審神者名『
「女性…」
女性の部分で反応した三日月を視線で戒める。
担当は反応したように見えたがそのまま喋りつづけた。
「成績こそ中の上ほどではありますが、いわゆるレア刀剣といった刀剣男士がおらず、ドロップによる刀剣もおりません。顕現されているのは短刀が7振り、脇差が4振り、打刀が12振り、太刀が3振り、大太刀が1振り、槍が1振り、薙刀が1振りの合計29振りです。初期刀は山姥切国広様で、審神者歴は4年です」
「審神者歴4年でほぼ全員カンストって優秀なのか？」
「そうですね。元からその審神者さんの本丸には新しい刀剣が来にくいといのはありますが、それでも4年というのはかなり早めの期間です。霊力も申し分ないくらいには潤沢らしいですよ」
「はい。ランクはA、審神者の中でも優秀な方に挙げられます」
「ほぇー…」
かなり重度のレア難民らしいが、実装済の刀剣男士73振り中31振りとは度が過ぎている。
本丸で同じ刀剣男士が顕現することは出来なくはないらしいが、あまり推奨はされていないんだとか。
「そこの人、俺と三日月同時に引き取るって言ったのか？」
「はい」
「俺言霊効かないし契約できない、かなり危ない立ち位置の刀剣男士だぞ？良いのか？」
「…彼女に伝えたところ、刀剣様が良いならば、と」
「へえ、酔狂なこって」
そう言ってけらけらと笑った。
後書き
10/25修正
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