成り代わり杵の突撃！隣のブラック！ (ページ13)

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CASE1-完ページ13

突っ込んできた祟り神を横に跳んで避ける。

「々%・|[〆^・々～-→[|…-€-+4€$ 」
「何言ってんのか分かんねぇよ…とあぶなっ」

そのまま近づいて斬ろうとすると、触手のようなものを素早く伸ばしてきた。
頭を横に傾けて避ける。
巨体自体はそこまでスピードが無いが、触手は素早く伸ばすことができるようだ。

「だけど、触手もせいぜい伸ばせて一メートルか。しかもすぐに形が崩れるってことは長い時間触手の形は保てない」

そこまで強くはない。
これなら維新の時代の歴史修正主義者の方が強いような気がする。
最近はもっぱら阿津賀志山に行っていたから強さなどほとんど覚えていないが。

祟り神の奥に木製で和風の城前にあるような扉が見えた。恐らくあれが転移ゲートだろう。
大体十五メートル程だ。
脇を通り抜けようとすると、通さないと言うように触手を伸ばしてくる。
あいつに比べたら拙い動きだが、同田貫で触手を切断する。
切られた触手はびちびちと地面の上でのたうち回り、空気に溶けるようにして消えた。

「じゃーな主。もう二度と会わないことを祈っとくぜ」

そのまま転移ゲートに飛び込んだ。
一瞬の浮遊感。

阿津賀志山らしい場所に降り立つ。
山の中のその場所は、都会で生まれ育った私にとっては新鮮だ。
だが御手杵の記憶が何度も戦った記憶があるので、地形を覚えてすらいる。

同田貫に黒いモヤが付いているので、浄化出来るという怪しげな札を貼ってみると札が黒ずんで朽ちたあとに、黒いモヤが消えた。どうやら本物らしい。
一回斬るだけで札一枚とは確かに燃費が悪い。審神者がいないと難しいのは事実のようだ。

「やはり一人で戦うのは愚策。しかも怪我をすれば治療もできない。となるとどこかの本丸に拾ってもらうのがやっぱり得策だよな」

耳を澄ますと、どこかから人の声が聞こえる。

「あっちか」

さて、本丸に拾ってもらえたとしても私は契約出来ないのだからどう生きていくべきか。

「あら、あんた達帰って来てたの。…あら？御手杵ってこの前折れて…勘違いかしら。まあ良いわ」

「…」

何だか見覚えがある黒い空。
枯れた草。
暗鬱とした空気。
どこかから聴こえる子供の呻き声。

「さっさとノルマこなしてきて。三日月といる時間を邪魔されたくないの」

(なにこれデジャヴ)

どうやら私はブラック本丸と縁があるらしい。